奥川恭伸は4月に二軍戦で登板も! 近年のヤクルト高卒投手で1年目から一軍登板を果たしたのは?
星稜時代の奥川恭伸(東京ヤクルト)
ヤクルトの黄金ルーキーである奥川恭伸(星稜)が順調にトレーニングを消化している。奥川は新人合同自主トレ中に右肘の軽い炎症が見つかり、春季キャンプもノースロー調整で始まった。そこからネットスロー、キャッチノール、ブルペンと強度を上げている。早ければ4月中頃に二軍で登板する可能性もあるという。
新型コロナウイルスの影響で今後のスケジュールは未定となっており、予定は流動的だが、悪い知らせではないだろう。
そんな奥川は高卒でプロ入りしたわけだが、近年のヤクルトにおいて高卒の投手たちは、1年目から一軍で登板しているのだろうか。分離ドラフトの終わった2008年以降のドラフト会議で指名された高卒の投手たちの1年目を振り返ってみたい。
2008年は5人指名したうち3人が高卒の投手だった。赤川克紀(宮崎商業/1位)、八木亮祐(享栄/2位)、日高亮(日本文理大付属/4位)である。このなかで1年目から一軍での登板を勝ち取ったのは赤川だけだった。その赤川も1試合の登板のみであり、しかも1死しか奪うことができず、打者4人に対し被安打3、与四球1とほろ苦いデビューとなっている。
2009年は平井諒(帝京五/4位)が唯一の高卒投手の指名だったが、デビューは2012年と3年目のことである。2010年、2011年は高卒投手の指名はなく、平井の次は2012年の田川賢吾(高知中央/3位)である。田川のデビューはなんと2018年と7年目のこと。そして翌2019年に初勝利をマークしている。かなりの遅咲きである。
2013年に指名された児山祐斗(関西/5位)は、一軍登板は1試合もなく2016年限りで現役を引退している。2014年の該当投手は不在となっており、翌2016年には高橋奎二(龍谷大平安/3位)、日隈ジュリアス(高知中央/4位)と2人が指名された。高橋は3年目に一軍デビューを果たし、ジュリアスは登板がないまま現在は育成契約で汗を流している。
2016年は寺島成輝(履正社/1位)と梅野雄吾(九産大九産/3位)のふたり。両投手とも1年目に一軍登板を果たしているが、寺島は1試合の登板で防御率15.00、一方の梅野は2試合で防御率6.75と苦しい内容だった。
2017年の金久保優斗(東海大市原望洋/5位)、2018年の市川悠太(明徳義塾/3位)、鈴木裕太(日本文理/6位)と近年の3人は現時点でも一軍での登板はない。
近年の結果を見ると高卒1年目から勝ち星を挙げるのはもちろん、結果を残すこともむずかしいのがプロの世界ということがよくわかる。はたして奥川はどのような結果を残すのだろうか。
(文=勝田聡)
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