巨人から久々に誕生した高卒の本格派右腕・戸郷翔征(聖心ウルスラ学園出身)
戸郷翔征
NPBの開幕が延期となったが選手たちは変わらず調整を続けていく。とくに一軍当落線上となる若手選手たちは、猶予ができたことをプラスに捉えさらなるアピールを行いたいところだろう。
そんななか、すでに開幕ローテーション入りを確実なものとしているのが、巨人の高卒2年目戸郷翔征だ。2018年ドラフト5位で指名された聖心ウルスラ学園高校出身の戸郷は、シーズン終盤に一軍デビューを果たすと初勝利も記録。レギュラーシーズンだけでなく、日本シリーズでも登板の機会を与えられた。
この春季キャンプでも離脱することなく走り抜き、3月1日に行われたヤクルトとのオープン戦でも5回無失点、6奪三振と好投。わずか69球でヤクルト打線を封じ込めており、2年目のジンクスを吹き飛ばす勢いだ。残念ながら開幕は延期となってしまったが、アクシデントが起きない限りは先発ローテーションの一員として計算されているはずだ。
さて、巨人の高卒投手を振り返ってみると、現役では田口麗斗がもっとも結果を残していると言っていいだろう。近年こそ不調もあったが、2016年、2017年は2年連続で2桁勝利をマークしておりチームに欠かせない戦力だった。今年もオープン戦では好投を続けており、先発ローテーション入りはほぼ間違いない状況だった。
そんな田口の高卒2年目は13試合の登板で3勝5敗、防御率2.71とまさに将来の有望株といった結果を残している。しかし、登板試合数からもわかるとおり、1年間ローテーションを回ったわけではない。4月11日に初登板初勝利を挙げた後、数試合に登板しては抹消の繰り返し。短期間のものも含めて6度の登録抹消があった。戸郷にはこの田口を超える期待がかかっている。
かつては斎藤雅樹、槙原寛己、桑田真澄と高卒の投手が先発の柱となっていた。しかし、その後は上原浩治や内海哲也に菅野智之と大卒や社会人の選手たちが主力となり、近年の巨人では高卒投手で先発の柱となった選手はほとんどいない。それこそ前述した田口くらいだろう。今村信貴や宮國椋丞も高卒から戦力となったものの、柱とは言い難い。
はたして戸郷は開幕ローテーションから年間を通して活躍できるだろうか。田口に続く高卒の出世頭となることはもちろん、平成の初期を彩ったエースたちに続く本格派右腕として柱となるような飛躍を期待したい。
【昨シーズン成績】
戸郷翔征(巨人)
2試合/1勝0敗/8.2回/奪三振11/与四球3/防御率2.08
(記事=勝田 聡)
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