73回の歴史にして史上初!春季四国大会が「大会前中止」決定!
昨年春季四国大会を制した明徳義塾
3月6日(金)16時、四国地区高等学校野球連盟は4月22日(土)・23日(日)・5月2日(土)の日程で香川県内([stadium]レクザムスタジアム・レクザムボールポーク丸亀[/stadium])で開催を予定していた「第73回春季四国地区高等学校野球大会」の中止を発表した。
同大会は1948(昭和23)年開始。第2回大会こそ悪天候により決勝戦(松山一<現:松山東>vs高松第一)が打ち切りになったケースはあるものの、大会前の中止は史上初となる。
これは新型コロナウイルスの影響で現在全国的に行われている高等学校休校措置に伴い、出場校を決める四国4県の春季大会が予定通り進行できないことが決定的になったことを受け、4県の高等学校野球連盟が協議した上で決定に至ったもの。
同連盟の主管連盟を務める香川県高等学校野球連盟・小野 裕作理事長は「当然開催したい気持ちはあるが、四国4県の県大会が通常通り開幕できないことが確実になった以上、致し方なかった」と苦渋の決断に至った理由を説明している。
そして春季四国大会中止に伴い、四国4県の春季県大会の開催可否、形式は各県高野連の判断に任されることとなった。
まず春季県大会の成績が夏の全国高等学校野球香川大会のシード決定に直結する香川県では現在、4月中の開催へ向け検討に入った段階。「今は休校中、屋外でのトレーニングもできない中で選手の体力・筋力低下による部活動再開直後の練習試合におけるケガが心配」と高松商・長尾 健司監督もコンディショニングの懸念を表する中、いっそうチーム・選手個々のマネジメント力が問われることになりそうだ。
また、3月25日(水)まで休校措置が取られている徳島県では春季県大会について「開催方法や開催の可否を模索し、3月18日(水)の臨時理事会で方向性を決定する」(須崎 一幸・徳島県高等学校野球連盟理事長)と県高等学校野球監督会からの開催要望や周囲の状況を見ながら最善の策を練る構え。
当初は3月7日(土)を春季県大会の組み合わせ抽選日としていた高知県は同日に「常務理事会で高知県大会の開催可否を審議した上で、開催の場合はその場で組み合わせ抽選を行う」(山﨑 正明・高知県高等学校野球連盟理事長)ことになっている。
その一方で、愛媛県はこれも四国大会同様に春季愛媛県大会の大会前中止(注:1955年・第8回大会は悪天候で準決勝打ち切り)が同日、愛媛県高等学校野球連盟より発表された。高校野球が文化の1つである「野球王国えひめ」にとって昭和23年以来脈々と続いてきた公式戦を失ったことによる関係各所の反応・コメントは別記事でお伝えする。
(取材=寺下 友徳)
なお四国地区高等学校野球連盟からの発表文は以下の通りとなっている。
(以下、四国地区高等学校野球連盟より引用)
四国地区高等学校野球連盟では、令和二年度春季四国地区高等学校野球大会を香川県において、4月25日から開幕し5月2日に決勝戦を行う予定で準備を進めてまいりました。しかし、コロナウイルス感染防止対策により四国各県のほとんどの加盟校において3月の終業式までの臨時休業と部活動禁止がきまり、四国大会の予選である各県大会の順延が避けられない状況となりました。そこで主管県の香川県高野連の了解を得て、日程を組み替えて春季四国大会を順延とし、各県から代表校の選出ができないか四国地区高等学校野球連盟で協議を重ねてまいりました。
最終的に、今後も部活動の禁止が解除される見通しが不透明なことと県大会を実施する場合に各県で会場が確保できること、同じタイミングで代表校を出すことが難しいこと等が大きな課題となり、四国地区高等学校野球連盟として令和2年度の春季四国地区高等学校野球大会の中止を決定いたしました。春の四国大会を目標にしていた各チームや四国代表校が対戦する試合を楽しみにしていた高校野球ファンの皆様には大変申し訳のなく残念な決断ではあります。
ただ、四国大会中止であれば四国各県連盟主催の春季県大会については、四国大会の日程を考慮せず、各県の事情に合わせた日程の設定が出来ますので、県大会の実施については四国地区各県高野連の判断にお任せし、春季県大会の実施について判断していただくようにお願いしております。以上どうぞよろしくお願いいたします。