今年は大チャンス! 西武の高卒生え抜きの愛斗(花咲徳栄出身)はレギュラーを奪えるか?
西武ライオンズの愛斗(花咲徳栄出身)
パリーグ3連覇を目指す西武は、今年も山川穂高や森友哉を中心とした打線が鍵になる。昨年から比べると秋山翔吾(現レッズ)が抜けたことによる不安はあるものの、新外国人選手としてコーリー・スパンジェンバーグを補強した。
しかし、新外国人選手の成績は蓋を開けてみなければわからない。その他の若手選手たちの突き上げも欲しいところだろう。
これまでの西武を見ると、高卒の選手たちが次々にチームの主力へと育っていった。現在チームに残っている選手では中村剛也や栗山巧がそうだろう。
また、遊撃手という難しいポジションを松井稼頭央(現二軍監督)、中島裕之(現巨人/現登録名:中島宏之)、浅村栄斗(現楽天)と高卒の若手有望株で繋げていったことも記憶に新しい。
しかし、2005年のドラフト以降で指名された高卒の選手を見ると、主軸に育った選手は多くない。炭谷銀仁朗(現巨人)と投手から外野手へ転向した木村文紀、そして森友哉の3人だけ。
炭谷と森は捕手であり、木村は投手からのコンバート。内野手、外野手として指名されレギュラー格に育った選手がいないのである。2桁本塁打を記録したことがあるのも、木村と森の2人だけしかいない。
そんな中、秋山の後釜となりうる外野手を見渡すと高卒5年目の愛斗の名前が挙がる。
愛斗は昨シーズン代走や守備固めでの出場が主だったが、一軍で自己最多の42試合に出場した。打率.151(53打数8安打)と打撃面での課題はあるが、二軍では打率.302(192打数58安打)、8本塁打を記録している。
2018年には13本塁打(99試合)、2017年には8本塁打(43試合)と二軍では本塁打を打てるパワーがあるのは心強い。一軍の投手に対応ができれば、2桁本塁打も目指せるだろう。
現時点で外野は中堅の金子侑司こそ当確だが、両翼は定まっていない。スパンジェンバーグ、木村文紀、鈴木将平そしてウインターリーグで結果を残した川越誠司とライバルは多い。
はたして愛斗は争いを勝ち抜き、開幕スタメンに名を連ねることができるだろうか。
【西武の高卒野手】
※2005年ドラフト指名以降
※育成指名は支配下昇格選手のみ記載
※☆は2020年シーズンNPB/MLB現役
※★は2桁本塁打経験者
炭谷銀仁朗(平安/捕手/2005年高校生1巡)☆※現在は巨人
木村文紀(埼玉栄/投手/2006年高校生1巡)☆★※プロ入り後に外野手へ転向
梅田尚通(鯖江/内野手/2007年高校生4巡)
中田祥多(鳴門工/捕手/2007年高校生5巡)
斉藤彰吾(春日部共栄/外野手/2007年高校生6巡)☆
石川貢(東邦/内野手/2009年4位)
駒月仁人(塔南/捕手/2011年3位)☆
永江恭平(長崎海星/内野手/2011年4位)☆
森友哉(大阪桐蔭/捕手/2013年1位)☆★
金子一輝(日大藤沢/内野手/2013年4位)
山田遥楓(佐賀工/内野手/2014年5位)☆
大瀧愛斗(花咲徳栄/外野手/2015年4位)☆
鈴木将平(静岡/外野手/2016年4位)☆
西川愛也(花咲徳栄/外野手/2017年2位)☆
綱島龍生(糸魚川白嶺/内野手/2017年6位)☆
牧野翔矢(遊学館/捕手/2018年5位)☆
高木渉(真颯館/外野手/2017年育成1位)☆
川野涼多(九州学院/内野手/2019年4位)☆
(文=勝田 聡)
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