楽天は一昨年の最下位から昨年は3位に浮上した。さらに上を目指すべく、このオフシーズンも大きな補強を行っている。

 国内FA権を行使した鈴木 大地を、金銭トレードでロッテから涌井 秀章をそれぞれ獲得。その他にもMLBからの復帰となる牧田和久に前オリックスのステフェン・ロメロ。投打とも実績のある選手が加わった。

 ドラフトでも1位で即戦力内野手となりそうな小深田大翔を獲得。すでにオープン戦でも結果を残しており、開幕スタメンの可能性も高そうだ。

 そんな即戦力たちに混じって光るものを見せているのがドラフト2位の黒川 史陽である。この春季キャンプでは12球団含めて唯一、高卒野手ながら一軍スタートを勝ち取った。当初は、途中から二軍に合流する予定となっていたが、一軍帯同が続いている。

 オープン戦前の実戦では5試合で打率.444(9打数4安打)を記録。本塁打こそ出ていないが、力強い打撃が随所に見られた。オープン戦でも3試合全てに出場しており初安打も記録している。

 そんな黒川は182センチ、86キロとサイズ感は浅村 栄斗(182センチ、90キロ)と変わらない。智辯和歌山高校時代に通算34本塁打を放っており、プロの世界でも本塁打の期待がかかる。現時点で今後の育成プランを三木肇監督ら首脳陣がどう考えているのかはわからないが、打てる二塁手として十分に「ポスト浅村」となり得る可能性を秘めている。

 さてここで、楽天の高卒生え抜き選手(2005年ドラフト以降)を振り返ってみると、30本塁打はもちろん、20本塁打に到達した選手はひとりもいないことがわかる。

 2019年シーズン終了時点においては内田 靖人が2018年に記録した12本塁打が最多。レギュラークラスに成長した選手では銀次の名前が挙がるが、銀次はアベレージヒッタータイプであり、シーズン最多本塁打は5本(2018年・2019年)となっている。

 高卒という縛りをなくし大卒や社会人出身の選手を含めてみても、生え抜き選手における最多本塁打は田中和基(立教大卒)が2018年に記録した18本。20本塁打はひとつの壁になっている。

 高卒1年目のシーズン開幕前であり少し気は早いが、黒川にはこの壁を超える存在となってくれることに期待したい。

【楽天の高卒野手】
※2005年ドラフト指名以降(育成はのぞく)
※☆は2020年シーズンNPB/MLB現役
※★は2桁本塁打経験者

宇部銀次(盛岡中央/捕手/2005年高校生3巡)☆※現登録名は銀次
枡田 慎太郎智辯学園/外野手/2005年高校生4巡)
山本 大明尾山台/捕手/2006年高校生3巡)
中川 大志桜丘/内野手/2008年2位)
西田 哲朗関大一/内野手/2009年2位)☆※現在はソフトバンク
小関 翔太(東筑学園/捕手/2009年3位)
榎本 葵九州国際大付/外野手/2010年4位)
勧野 甲輝PL学園/内野手/2010年5位)
北川 倫太郎明徳義塾/外野手/2011年5位)
下妻 貴寛酒田南/捕手/2012年4位)☆
内田 靖人常総学院/捕手/2013年2位)☆★
オコエ 瑠偉関東一/外野手/2015年1位)☆
堀内 謙伍静岡/捕手/2015年4位)☆
石原 彪京都翔英/捕手/2016年8位)☆
西巻 賢二仙台育英/内野手/2017年6位)☆※現在はロッテ
黒川 史陽智辯和歌山/内野手/2019年2位)☆
水上 桂明石商/捕手/2019年7位)☆

(記事:勝田聡)