明石商で卒業式!全国1位タイの昨年春夏甲子園通算6勝を挙げた3年生41名が巣立つ!
花束を受け取る重宮涼選手(卒業後は日体大へ)
各地で高校の卒業式が行われていますが、第92回選抜高等学校野球大会に出場する明石商でも26日に卒業式が行われました。
昨年の甲子園では春夏連続ベスト4。しかも春夏合わせて6勝(春3勝、夏3勝)は、夏の決勝に進出した履正社(夏6勝)と星稜(春1勝、夏5勝)と並んでトップ。その中心メンバーだった3年生41名がこの日で高校を卒業。
卒業式終了後にはグラウンドで3年生が1,2年生の前で並び、一言ずつ後輩にメッセージ。「僕たちが果たせなかった全国制覇を成し遂げてください」や、「センバツでベンチ入りできなくても、あきらめずに頑張ってください」など1、2年生を激励しました。そして「お父さん、お母さん3年間ありがとうございました」「指導者のみなさん、アツい指導をありがとうございました」と保護者、監督、コーチ陣にもお礼の言葉を述べ、2年生からは3年生へ花が手渡され、言葉を交わし合いました。
狹間善徳監督は3年生を前に、「卒業おめでとう」と切り出し、こう語りかけました。
「この学年は3回甲子園に出られた。全員がしんどい練習を一生懸命やってくれました。その中で、今日はやる気がないとか、調子に乗る選手もいて、引き締めながらここまできたけど、就職や進学をして、これから成人になってそういう態度をとってしまうと、その会社には必要ないと言われるくらい厳しいもんやと思う。
今までは10の事があっても2,3は楽しいことがあったと思うけど、これからは10の事があったら10しんどいと思う。理不尽なこともあるし、これは正しいのになと思うことも、そう思われなかったりする。俺も失敗と挫折の繰り返しでここまできた。その中で一番大事にしてきたのは、人としてどうなのか。躓いた時は誰かが声をかけてくれて、もうちょっと頑張ってみよかとここまできた。
人のことを思いながら、信用信頼を勝ち取れ。この3年間やってきたことをプライド、誇りにしていけば、どんな状況になっても耐えられると思う。これから誰にも負けるなよ。もし行き詰まったら、いつでもここ(明商)に帰ってこい。いつも言っているように、命が一番大事やで。命があったら何回でも繰り返せる。その気持ちをもってしっかりやれ。もがいてこい。これからのお前らの活躍を見るのを楽しみにしている」。 (一部抜粋)
春夏と主将を務めた重宮涼選手は、「1年前は自分たちが(先輩に)花を渡したのでちょっと違和感があります」と笑みをみせながら、「自分の野球人生が変わった場所。いろんな経験をして、人間的に成長させてもらいました。普通ではありえない経験ができたのは、これからの人生の役に立つと思います。人としてどうするべきかを監督さんから熱心に教わったので、そうできる大人になりたいです」と3年間を振り返りながら今後の人生へ向けての抱負を話しました。
U-18日本代表でもマスクをかぶった水上桂選手は、「充実した3年間を過ごせました。人に対する礼儀など、監督さんから教わった」と3年間を振り返り、「来田(涼斗主将)の世代は僕たちのできなかった全国制覇をできる力を持っていると思う。1戦1戦集中して戦って、全国制覇を成し遂げてほしい」と話しました。バッテリーを組んだエース・中森俊介投手に対しても、「スピードだけの投手になってほしくないので、調子が悪いときも抑えられる投手になってほしい。いずれまた同じ舞台(プロ)で一緒にやりたいですね」とエールをおくりました。
最後は全部員、保護者や指導者陣とも記念撮影をし、3年生41名は明石商業のグラウンドを巣立ちました。大学や就職といった次のステージでの活躍が楽しみです。
そして、3年生があとにしたグラウンドでは、すぐに1、2年生が練習を始め、3月に迫った春に目を向けていました。
(文=松倉雄太)