練習試合で好投!ヤクルト長谷川宙輝は江藤智以来の一軍出場となるか?
高校時代の長谷川宙輝
2月も半ばに入り、春季キャンプも中盤戦に突入した。それに伴って多くの球団で練習試合や紅白戦といった実戦が増えている。
そんな中、ヤクルトは2月12日にサムスン(韓国)と練習試合を行なった。この試合で好投を見せたのが、今シーズンから加入した長谷川宙輝である。長谷川は3番手で5回からマウンドに登ると、2回を無失点投球。140キロ台後半のストレートとスライダーを軸に4者連続奪三振を記録するなど、その存在感を見せつけた。
今後の起用法は明らかになっていないものの、この投球内容であれば次回のチャンスも確実に巡ってくる。
現時点における先発ローテーションは石川雅規(秋田商出身)、小川泰弘(愛知・成章出身)と実績のある投手はいるものの、その他の投手で複数年連続した実績はない。昨年のドラフトで指名された大卒の選手たち3人も候補に挙がっているほど。また、新外国人選手も現段階では未知の状態だ。
左の中継ぎでは中尾輝(杜若出身)が下半身の張りで別メニュー調整となった。そのため一軍枠を坂本光士郎(如水館出身)や寺島成輝(履正社出身)と争うことになるが、両投手とも一軍が確約されている存在ではない。
長谷川が対外試合、オープン戦で結果を残すことができれば、開幕ローテーションや中継ぎの一角に食い込む可能性も十二分にあるといえるだろう。
そんな長谷川は2016年育成ドラフト1位でソフトバンクに入団。昨シーズンまでの3年間で支配下登録を勝ち取ることができなかった。ソフトバンクからはNPBのルールに基づいて育成再契約を前提に自由契約を通告されたが、ヤクルトが支配下契約でオファーを出し移籍を果たしている。
長谷川は東京都の聖徳学園高校出身だが,高校時代に甲子園への出場はない。その聖徳学園高校からドラフト指名されたOBには江藤智(広島/1988年5位)、日月哲史(西武/1991年8位)がおり、長谷川は3人目となる。
ただし、江藤と日月が旧高校名である関東高校時代の話。現在の聖徳学園高校に学校名が変わってからは、長谷川が唯一の存在となっている。また、投手としては長谷川が初めてのNPBドラフト指名選手である。
江藤が現役を引退した2009年から11年が経った。長谷川が同校OBとして久しぶりに、そして投手としては初めてが一軍の舞台に立つ日が訪れそうだ。
【聖徳学園高校OB】
※関東高校時代含む
江藤智(広島〜巨人〜西武)
1844試合/打率.268(5819打数1559安打)/364本塁打/1020打点
日月哲史(西武)
一軍出場なし
長谷川宙輝(ソフトバンク〜ヤクルト)
一軍出場なし
※数字は2019年シーズン終了時点
(記事:勝田聡)
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