謙虚で義理堅い!甲子園で本塁打を放ったスラッガー・小原大河が信濃から指名
信濃グランセローズに指名された小原大河 撮影:勝田聡
好天に恵まれた2月8日、ロッテ浦和球場で夢への挑戦権を賭けた戦いが行われた。ルートインBCリーグの合同トライアウトである。日本国内だけでなく、韓国やドミニカなど世界各国から国籍問わず多くの参加者が集まったこのトライアウト。
わずか5時間ほどのテストの後に運命のドラフト会議(非公開)が行われ、一旦の結果が出る。指名を得た者、残念ながら漏れた者、もう少し様子を見たいと保留された者…その結末は様々である。
今回のトライアウト後に行われたドラフト会議で指名を受けたのは5人だった。牛丸京輔(投手/福島)、小林栄登(投手/神奈川)、小川亮太(捕手/福井)、浦木直大(外野手/滋賀)、そして小原大河(内野手/信濃)である。
このなかで甲子園に出場経験があるのは、浦木(関西)と小原(盛岡大付属)の2人。なかでも小原は本塁打も記録している。その後、八戸学院大学へ進学するも中退。その後は、矢巾硬式クラブでプレーをしていた。ちなみに矢巾硬式クラブではJABA東北クラブカップで優勝経験もある。
そんな小原にこの日の手応えを聞いてみると「何人も(トライアウトに)来るってわかってたので結果というより、自分のプレーをしようって意識してました。そのなかで結果がついてきてくれて嬉しく思います」という謙虚な答え。ガツガツしていない。
自身が出場した甲子園について聞いてみても「全国大会ということもあって、誰がすごいというより、みんなすごく見えました」とここでも謙虚な一面が見える。小原が出場したのは2016年夏の甲子園。今井達也(作新学院ー西武)が優勝投手となり、寺島成輝(履正社ーヤクルト)、藤平尚真(横浜ー楽天)らが話題となった大会である。
JABA東北クラブカップの優勝についても同様だ。小原は「これも運ですね(笑)優勝候補のチームのエースが、お仕事で来れなくて先に負けちゃったんですよ」とどこまでも謙虚である。
信濃グランセローズに指名された小原は入団の意思を示している。しかし、「今、スポーツジムで働いているんです。職場の方にもお客さんにも、よくしていただいているので応援されるようにしっかりと区切りをつけて、信濃さんにお世話になりたいと思ってます」と義理を通すことを語ってくれた。もちろんすでに職場には話をしてあり、支障はなさそうだ。
小原は高校野球の強豪校で甲子園に出場し、その後もクラブチームで実績を残してきた選手である。もう少し勝ち気なところを見せても良さそうなものだが、そういう素振りは見せない。きっと小原の持つ気質なのだろう。
謙虚で義理堅い気持ちはきっと武器になる。
(文=勝田聡)
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