尽誠学園「ハーフマラソン日本新記録」原体験を糧に

秋季四国大会準優勝で選抜に出場する尽誠学園
2020年は東京オリンピック・パラリンピックが開催される日本スポーツ界にとって「一生に一度」的メモリアルイヤー。その舞台へ。ないしはそこに直接・間接的にかかわる場所を目指し、1ヶ月少しが経過した時点で早くも各大会で多くの「日本一」が生まれています。
実はそんな「日本一」の中に、3月19日(木)から13日間の日程で兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で行われる「第92回全国高等学校野球大会」に四国地区代表として出場する尽誠学園(香川・18年ぶり7回目)が絡む出来事もあったのです。今回はそのエピソードを紹介します。
尽誠学園は2月2日(日)に11,000人が集い行われた香川丸亀国際ハーフマラソンで沿道各所の応援ボランティアに参加。男子2位に入った小椋 祐介(ヤクルト)が1時間0分00秒のハーフマラソン日本最高記録をマークし、国内外の有名ランナーもそろって好記録を叩き出す「日本一への過程」を原体験として味わっています。
その翌日、尽誠学園グラウンドを訪れてみると、選手たちからは様々な感想が聞かれました。まずは「それぞれの選手が完走に向かって一生懸命に走る姿に僕も全力で応援しようと思った」と話したのは主将の菊地 柚(2年・二塁手)。「必死にやっている姿はかっこよく見えるし、それによって応援してくる気持ちがわいてきた。僕らも必死にやることで応援される存在になれるようにしたい」と4番の仲村 光陽(2年・遊撃手兼投手)自分たちのことに置き換えて、あるべき姿を語ります。
さらに安東 賢志(1年・内野手)は「外国人選手に食らいつく日本人選手の走りを見て、粘ることの大切さに気が付かされた」と話すなど、各選手はそれぞれの立場で「客観視される自分たち」を感じたようでした。
練習後、実は過去に10年連続で香川丸亀国際ハーフマラソンを走った経験を持つ西村 太監督からのミーティング内容も正に「客観視される自分たち」のこと。「ある試合後にゴミを拾って帰る選手たちに感銘を受けた」手紙を紹介しつつ、改めて勝敗を超えて自分たちが見せるべき「一生懸命な姿」について語る指揮官に、55名の選手たちも熱い視線を送っていました。
この日はトレーニング中心だった練習内容を見ても「質を高めるべく励ましあう」部分で明らかに成長の跡が見える尽誠学園。彼らもまた頂を見た経験を糧に掲げた「ベスト4以上」に向かって疾走を続けていきます。
(文=寺下 友徳)
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