News

前田健太はツインズへ移籍決定!投打で活躍した2006年センバツを振り返る

2020.02.06

前田健太はツインズへ移籍決定!投打で活躍した2006年センバツを振り返る | 高校野球ドットコム
ツインズへの移籍が決定した前田健太 (写真は共同通信提供)

 2月5日、前田 健太投手のミネソタ・ツインズへの移籍が決定した。今回はそんな前田投手が大活躍を見せた2006年春の選抜での活躍を振り返っていきたい。

 2006年春の選抜に出場したPL学園の初戦の対戦相手は21世紀枠で出場を果たした栃木の真岡工だった。この試合で前田投手の投手としての底力が見られた。9回を完投し、被安打4、四死球1、奪三振16と圧巻の投球内容。最終回に1点を取られるも、自責点0で完投勝利した。打者としても2つの死球に1安打で3度の出塁。チームの9得点に大きく貢献した。

 続く2回戦では愛知啓成と対戦。この試合は愛知啓成エース水野 貴義との死闘の投げ合いだった。8回までで両チーム無得点の文字通りの投手戦。水野投手は9回で被安打5、四死球5、奪三振7。前田投手は9回で被安打5、四死球1、奪三振9。この2人の壮絶な投げ合いにピリオドが打たれたのは9回。先攻だったPL学園が四球と犠打の後、7番の前田の恋女房仲谷 龍二が相棒を助ける一打をセンターに放ち、均衡を破ると、この1点を前田投手が守り抜き、完封勝利で2回戦突破を果たした。

 準々決勝では秋田商と対戦。この試合でも前田投手の好投が光る。最終回こそ3連打で1点を奪われるが、9回で被安打8、奪三振9、失点1で完投。この試合で驚くべきな点は無四死球で完投したことだ。9回投げきって四死球を出さなかったことがリズムを掴み、また無駄な走者を出さなかったことが、高校生投手としてなかなかできることではない。またこの試合では3打数2安打で打者としても4番の役割を果たした。

 ここまでの前田投手は3試合で27回を投げ、2失点、自責点1で防御率0.33と驚くべき失点率の低さだ。また27回で被安打17、奪三振34、四死球2と、イニングに対して被安打と四死球は圧倒的に少なく、奪三振は圧倒的に多い。高校生投手として圧巻の投球内容だ。

 PL学園は準決勝で長崎清峰高校と対戦。この試合でも前田投手は4番投手として先発するも、清峰打線に掴まってしまう。2回に先制点を奪われると、5回には3失点、7回には2失点し、合計6失点で途中降板。ここまでの試合のような高い奪三振能力を発揮できず、2奪三振。被安打も11されるなど、ここまでのような投球はできなかった。打者前田は3打数で1安打するも、PL学園は合計2安打で得点を奪うことができず、完封負けを喫してしまう。

 ただこの大会で見られた前田投手の潜在能力は計り知れないものがあった。この大会の投球内容は33回2/3で被安打28、奪三振36、四死球2、失点8、自責点7だった。最後の試合で6失点したものの、防御率は1.87と好成績。そして特筆すべきなのが与四死球の少なさだ。33回をなげてわずか2四球。K/BBに表すと、18.00。異次元のような成績だった。

 昨季ア・リーグ中地区を制し、先発陣の強化が課題のツインズに来季から移籍するが、ワールドシリーズ制覇に向け、さらなる活躍に期待したい。

関連記事
【インタビュー】広島東洋カープ 前田 健太 選手(前編)
桑田真澄(PL学園) PLに大きく育ててもらい、そして甲子園でさらに大きく育ててもらった
日本テレビ・上重聡アナウンサーが語った「松坂世代」と「未来の高校野球」への思い

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.18

【神奈川】保土ヶ谷球場では慶應義塾、横浜が登場!東海大相模は桐蔭学園と対戦!<春季県大会4回戦組み合わせ>

2024.04.18

強豪校を次々抑えて一躍プロ注目の存在に! 永見光太郎(東京)の将来性を分析する<高校野球ドットコム注目選手ファイル・ コム注>

2024.04.18

首都二部・明星大に帝京のリードオフマン、東海大菅生技巧派左腕などが入部!注目は184センチ102キロの大型スラッガー!

2024.04.18

【春季埼玉県大会】ニュースタイルに挑戦中の好投手・中村謙吾擁する熊谷商がコールド発進!

2024.04.18

【岡山】センバツ出場の創志学園は2回戦から登場! 2回戦で昨年夏の決勝戦と同じカードが実現の可能性も!<春季県大会地区予選組み合わせ>

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.15

四国IL・愛媛の羽野紀希が157キロを記録! 昨年は指名漏れを味わった右腕が急成長!

2024.04.17

仙台育英に”強気の”完投勝利したサウスポーに強力ライバル現る! 「心の緩みがあった」秋の悔しさでチーム内競争激化!【野球部訪問・東陵編②】

2024.04.15

【春季和歌山大会】日高が桐蔭に7回コールド勝ち!敗れた桐蔭にも期待の2年生右腕が現る

2024.04.16

【群馬】前橋が0封勝利、東農大二はコールド発進<春季大会>

2024.04.09

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード