12試合20本塁打で近畿王者となった天理の課題は評判に見合う真の実力を身につけること
スイングに取り組む選手たち(天理)
近畿大会王者、天理がこれまでの歩みを振り返った。12試合で20本塁打は出場校31校の中でも断トツトップ。対戦したチームからも「あんなに振れて強烈に打球を飛ばせるチームはなかなかない」と恐れられている。
だがそんな評価とは裏腹に、中村良二監督は、今年のチームは選手のポテンシャル的にはここ3年のチームに比べても低いという。
だから20本塁打という数字は「出来過ぎな結果です」と笑う。それでも20本塁打を打てたということは光るものがあったということ。中村監督は、選手の姿勢の良さを評価する。
「まずチームのまとまりがありましたし、どの世代も一生懸命努力しますが、今年のチームは自ら考えて取り組める選手たちです。チームの信条であるフルスイングを徹底して行っていたと思います」
また選手たちは実力を高めることに朝練を行っていた。
「私も後から知ったのですが、自ら朝練を行っていたんですよね。自分たちに実力が足りないということが分かって、取り組めるところが彼らの強みだと思います」
ちなみにこの朝練は選手主導で新チームが始まって取り組みを始めたもの。火曜日・木曜日に通常より30分早い5時半起床で、素振り、捕球練習など基礎的な練習と30、40分ほど行う。
1年生遊撃手の杉下海生は「朝早いのはきついものですが、勝ち上がりの過程で生きていたなと思うことはあります」
冬場の練習は個々の戦力アップをテーマに精力的に練習に取り組んできた。
去年の成果に中村監督は「びっくりするようなパフォーマンスですが、あれができたということは、力がないというわけではないですし、できる潜在能力は持っているんです。あれを一過性ではなく、選抜でも発揮できるよう練習をしていこうということを話をしています」
「評判に見合う真の実力をつける」
これこそが天理がこの冬場に掲げるテーマなのだ。そのために実力主義を貫く中村監督。
「レギュラーだから、我慢して使うことはありません。結果が出ない、姿勢が悪い。ということであれば、私はベンチ入りからは外しますし、選手たちも自覚して取り組んでいます」
主将・下林源太は「昨年は神宮大会の中京大中京戦で守備のミスが出てしまって負けてしまったので守備を重点的に取り組んで行っています」と守備力強化をテーマに励んでいる。
センバツを見据え、個々の能力をあげるために取り組む選手たち。大舞台でも力を発揮できる真の実力を身につけたとき、天理は優勝候補に名乗りあげることになるだろう。
(文=河嶋 宗一)
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