国士舘が2年連続でセンバツ甲子園出場を掴むことが出来た理由
2年連続10回目の甲子園出場を決めた国士舘
1月24日、第92回選抜高等学校野球大会の選考委員会にて、秋季東京都大会で優勝を飾った国士舘が2年連続10回目の選抜甲子園に出場することが決定した。
出場決定が永田昌弘監督や選手たちにも伝えられると、選手たちは歓喜に包まれ喜びを爆発させた。
永田監督が「2年連続の選抜甲子園になるので、去年流した悔し涙を今年は流さないようにしたい」と力強く語れば、主将の鎌田州真も「昨年は気づいたら試合が終わっていた。今年は昨年の経験があるので、しっかり試合ができるのではないかなと思います」と力強く話す。
1回戦で明石商に完敗した、昨年の選抜甲子園を引き合いに出しながら気持ちを引き締めた。
国士舘が2年連続で選抜甲子園に出場するのは、1997年の第69回大会以来のことだ。
2009年の81回大会以降は10年間甲子園から遠ざかったが、2019年に9度目の選抜甲子園出場を掴むと、秋季東京都大会でもエースの中西健登を中心に安定した野球を見せ、2年連続での選抜甲子園出場をつかみ取った。
永田監督は会見で、2年連続での甲子園出場を掴んだことについて、2つの要因を上げた。1つ目は、昨年に甲子園に出場したことで「物差し」ができたことだ。
「昨年は本当にチームの力はありませんでしたが、ただ甲子園に出るという道筋を作ってくれました。それを下級生が見て、何をやったら甲子園に行けるのかといった『物差し』ができたのではないかなと思っています。
そして、もう一度そこ(甲子園)に行って戦いたいと言う気持ちが、今年のチームにあったと思います」
また、「ニンジン」をぶら下げたことも効果があったのではないかと永田監督は語る。
実は永田監督は、コーチと相談した上で秋季大会で優勝することができれば、選手が髪の毛を伸ばすことを許可すると決断。選手たちは見事秋季大会で優勝を掴み、髪の毛を伸ばすために頑張ったのではないかと永田監督は笑顔で振り返った。
「今、野球をやる子が少なくなっていて、高校に行ったら頭を坊主にするから(野球部には)行きたくないとか、そういった話をよく耳にいます。コーチとも相談して、優勝したら髪を伸ばせるようにするよと選手に話して、ニンジンをぶら下げたら見事に勝ってくれました」
2年連続の選抜甲子園出場の裏には、先輩たちが作った道筋とベテランである永田監督の粋な取り組みがあったのだ。
髪が伸びて、垢ぬけた爽やかさを纏った国士舘の選手たちが、甲子園で颯爽とプレーする姿が今からとても楽しみだ。
(記事=栗崎 祐太朗)
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