WBSCランキング1位の日本!しかしU18大会のポイントを上位4か国と比較してみると…
昨年のU-18日本代表の面々
日本はWBSC世界ランキングで1位を獲得した。このランキングは国際大会の成績からポイントが算出され、過去4年間のポイント数で争われる。
日本はなぜ1位なのかというと、各大会で上位に名を連ねているというのが大きい。特にトップチームなど世代が上がる大会で結果を残すほどポイントが高くなっており、3位に入った2017年のWBCでは880ポイント、見事に優勝を果たしたプレミア12では1380を獲得した。また、WBSC主催の大会ではないとポイントを稼げないものとなっている。
今年は東京五輪が開催されるだけに、さらにポイントを稼ぐチャンスでもある。
今回、注目したいのは高校野球に直結するU18大会のポイントである。ただポイントを出すだけではなく、ライバル国のポイントも比較してみたい。日本と比較するのは、2位・アメリカ、3位・韓国、4位・台湾の3か国だ。
【日本】
2016年 第11回BFA U18アジア選手権 1位 50ポイント
2017年 第28回 WBSC U-18ワールドカップ 3位 418ポイント
2018年 第12回BFA U18アジア選手権 3位 35ポイント
2019年 第29回 WBSC U-18ワールドカップ 5位 336ポイント
合計 839ポイント
【アメリカ】
2016年 パンアメリカン選手権 優勝 50ポイント
2017年 第28回 WBSC U-18ワールドカップ 優勝 575ポイント
2018年 パンアメリカン選手権 優勝 50ポイント
2019年 第29回 WBSC U-18ワールドカップ 2位 459ポイント
合計1138ポイント
【韓国】
2016年 第11回BFA U18アジア選手権 3位 37ポイント
2017年 第28回 WBSC U-18ワールドカップ 2位 459ポイント
2018年 第12回BFA U18アジア選手権 優勝 50ポイント
2019年 第29回 WBSC U-18ワールドカップ 418ポイント
合計964ポイント
【台湾】
2016年 第11回BFA U18アジア選手権 準優勝 2位 44ポイント
2017年 第28回 WBSC U-18ワールドカップ 7位 255ポイント
2018年 第12回BFA U18アジア選手権 2位 43ポイント
2019年 第29回 WBSC U-18ワールドカップ 575ポイント
合計917ポイント
なんとU18では、上位4か国では日本が最下位だった。まず1位のアメリカは2012年~2017年まで4大大会世界大会で優勝しているだけあって、数字面で圧倒。アメリカ代表を見ればいつも思うのは圧倒的なポテンシャル。投げれば、150キロの直球と高速変化球のセットは当たり前。打者は5ツールプレイヤーがいたりとまさに隙がない。昨年は超一級品の投手が大会直前で故障してしまいロースターから漏れる事態があったが、それでも2位に入ったアメリカの18歳世代の実力は飛び抜けている。
4位になった日本は決して個々の能力で劣るわけではない。野球の質も優れている。
世界大会を見てつくづく感じるのは、優勝を狙うためには、代表チームの実力だけではなく、連盟の組織力が問われるということ。大会に向けての準備、選手運用、選考など。あらゆる面での対応力が求められるようになっている時代なのだ。
日本はトップチームで成果を残していて、昨年のドラフトを見ればわかるように、明らかに選手のレベルは上がっているのだ。つまり逆転はいくらでも可能だ。
U18世代でも圧倒するためには、何ができるのか。2021年の世界大会へ向けて、この2020年は重要な1年となる。
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