2019年下半期の高校野球を振り返る 佐々木朗希で熱狂!奥川vs履正社打線でクライマックスを迎えた甲子園
佐々木朗希(大船渡)※共同通信
第101回の夏。
全国のメディア、野球ファンの注目は大船渡の佐々木朗希だった。恐らく最後の夏が終わるまで最も報道された高校球児だろう。練習試合、公式戦の登板情報は逐一報道される。
改めて関心の高さがうかがえた。
そして最後の夏は、4回戦の盛岡四戦で160キロを計測。日本中の高校野球ファンを沸かした。
そのピッチングを目にしたときは高校生の次元を超えていた。常時150キロ中盤の速球、キレのあるスライダー、フォークでねじ伏せる投球は素晴らしいものがあった。佐々木ならば甲子園にいけるかもしれない。実際に盛岡市内に足を踏み入れるとその熱気がすさまじかった。
高校野球ファンの方に話をかけると、大船渡の甲子園を期待する声が多かった。
大船渡が1984年センバツベスト4進出した時に大船渡を応援するようになったファンが多く、佐々木の登場で、甲子園の期待も高まった。決勝戦が始まるまでの熱気は忘れられない。
ただ佐々木が登板しないことが分かると、球場のムードがトーンダウンしたのが伺え、試合後、囲み取材では報道陣が國保 陽平監督に起用法をめぐって四方に囲って話を聞いていた。今までにない異様な雰囲気だったことは覚えている。
佐々木の決勝戦登板回避は著名人が相次いでコメントを出すほど話題性があったものだったが、改めて投手起用というものを考えさせられる試合だった。
夏の高校野球は話題が目まぐるしく変わる。2週間たった甲子園では奥川恭伸(星陵)が脚光を浴びた。奥川は智辯和歌山戦で延長14回の熱投を見せるなど、伝説級のピッチングを残した。そして決勝戦ではセンバツ初戦で対戦した履正社と対戦。履正社は奥川に抑え込まれてから打線が数段レベルアップ。数々の好投手を攻略して決勝戦に進出した。試合は履正社が星陵の奥川を打ち崩し、見事に初優勝を果たした。
そして10月17日のドラフト会議では注目の佐々木は千葉ロッテへ。奥川は東京ヤクルトへ。総勢107名が指名を受けた。
11月15日から開催された明治神宮大会では、中京大中京が優勝。令和初の神宮王者となった。
2020年は東京五輪が開催される年となる。果たしてどんなチームが優勝するのか。
(記事=河嶋 宗一)
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