2015年春の甲子園、平沼翔太が福井県勢初の甲子園制覇へ導く
2019年のドラフト会議では佐々木朗希(大船渡高校→ロッテ1位)奥川恭伸(星稜高校→ヤクルト1位)など、高校生の投手が目玉となっていた。高校生は春夏の甲子園が注目されやすいこともあり、取り上げられ方も大きかった。
さて、そんな注目度の高い甲子園だが、近年の甲子園に出場した選手たちを大会ごとに振り返っていきたい。今回は、2015年春の甲子園を取り上げる。
平沼だけでなく、高橋純平が唯一の150キロマークなどプロ野球選手が多数出場
敦賀気比時代の平沼翔太
この大会を制したのは敦賀気比高校(福井)だった。4番エースの平沼翔太(現・日本ハム)を中心に福井県勢として初の甲子園優勝を勝ち取っている。同年のドラフト4位で日本ハムに入団した平沼は遊撃手としてプロ入り。レギュラーまで後一歩のところまで迫ってきた。
その敦賀気比高校は準決勝で大阪桐蔭高校(大阪)を11対0で下しているが、大阪桐蔭高校の4番は青柳昴樹(元・DeNA)、遊撃は先日のドラフト会議でロッテから5位指名を受けた福田光輝(法政大学→ロッテ5位)だった。当時、福田はプロ志望届を出さずに進学を選択していたのである。
この大会で注目を集めていたのは、県立岐阜商業高校の高橋純平(現・ソフトバンク)だった。唯一同大会で150キロを計測しており、早くからドラフト1位候補として取り上げられている。
その他に同年のドラフト会議で支配下指名された選手では、堀内謙伍(静岡高校→楽天4位)、平沢大河(仙台育英高校→ロッテ1位)、佐藤世那(仙台育英高校→オリックス6位)の名前があがる。
2年生として出場し、翌2016年のドラフト会議で指名を受けた選手には大江竜聖(二松学舎大付属高校→巨人6位)、京山将弥(近江高校→DeNA4位)、静岡 鈴木将平(静岡高校→西武4位)、高山優希(大阪桐蔭高校→日本ハム5位)、山崎颯一郎(敦賀気比高校→オリックス6位)がいる。
仙台育英時代の郡司裕也
また、進学を選択した選手は2019年ドラフトに大卒として指名されている。先に触れた福田の他には、宇草孔基(常総学院高校→法政大→広島2位)や郡司裕也(仙台育英高校→慶応大学→中日4位)、伊勢大夢(九州学院高校→明治大学→DeNA3位)、勝俣翔貴(東海大菅生高校→国際武道大学→オリックス5位)らがそうだ。即戦力として考えられている選手も多く、1年目からの活躍に期待がかかる。
社会人に進んだ選手では、鈴木健矢(木更津総合高校→JX-ENEOS→日本ハム4位)や柘植世那(健大高崎高校→ホンダ鈴鹿→西武5位)が指名を受けた。柘植は機動力が取り上げられることの多い健大高崎高校出身だが、同大会で盗塁は決めていない。
2015年のドラフト会議において高卒でNPB入りをはたした選手は2020年シーズンが5年目。すでに頭角を現しつつある選手もチラホラ見受けられる。また、2019年ドラフト会議で指名された選手達は、即戦力候補として1年目を迎えることになる。
高校時代に同じ大会で頂点を目指したライバルたちが、プロの世界で競演するわけだ。5年の時を経てどのような戦いを見せてくれるのか楽しみだ。
(記事=勝田 聡)
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