第二の吉田正尚になるのは誰だ。ウインターリーグで光った9人の野手たち【NPB編】
左:伊藤裕季也、右:砂川リチャード
アジアウインターリーグで別格の活躍を見せた選手といえば、吉田正尚(オリックス 敦賀気比出身)だ。2016年に出場した吉田の成績は以下の通りだ。
・18試合 54打数30安打 6本塁打29打点 打率.559 出塁率.644 長打率1.056
まさに規格外の数字である。やはり一軍で64試合で10本塁打、打率.290と数字を残している選手がいるのとここまで違うものなのかと驚かされる。
その吉田は2017年も64試合で12本塁打を打っているのだから、すべてではないが、ウインターリーグの活躍をつなげている。
吉田に続くべく、来季楽しみな活躍を残した野手を紹介したい。
・川越誠司(埼玉西武 北海出身) 17試合 60打数22安打 3本塁打21打点 打率.367(全体3位) 3盗塁
・島田海吏(阪神 九州学院出身) 16試合 59打数21安打 3本塁打13打点 打率.356(全体6位) 4盗塁
・松田進(千葉ロッテ 国学院久我山出身) 15試合 50打数17安打 2本塁打14打点 打率.340(全体6位) 2盗塁
・小郷裕哉(東北楽天 関西出身) 16試合 58打数19安打 1本塁打9打点 打率.328(全体7位) 2盗塁
・村林一輝(東北楽天 大塚出身) 16試合 57打数18安打 0本塁打3打点 打率.319(全体9位)
・吉田 大成(東京ヤクルト 佼成学園出身) 17試合 46打数14安打 2本塁打6打点 打率.304(全体13位) 2盗塁
・砂川リチャード(福岡ソフトバンク 沖縄尚学出身) 17試合 67打数20安打 3本塁打17打点 打率.299(全体14位)0盗塁
・山野辺翔(埼玉西武 桐蔭学園出身)12試合36打数14安打 2本塁打9打点 打率.389 3盗塁
・伊藤裕季也(横浜DeNA 日大三出身)12試合45打数14安打2本塁打7打点 5盗塁
まず川越誠司は野手転向1年目。身体能力も抜群な川越に求めれるのは対応力だった。その中で全体3位の打率を残しただけではなく、出塁率.441。無駄なボール球に手を出さず、好球必打できるようになり、進化が感じられる。来年は秋山翔吾が抜け、ポスト秋山の台頭が第一優先になるだけに、活躍を期待したい。
島田海吏は俊足選手のイメージが強かったが、3本塁打を打てたのは好材料。パンチ力ある打撃を来シーズン発揮したいところだ。
松田進はパンチ力ある打撃は一軍選手と勝負できるものがあるだけにほかの選手を押しのけるほどの打撃を常に発揮することが一軍定着の課題となる。
吉田 大成は、守備型の選手のイメージが強かったが、長打を打てる兆しが見えているのは来季につながるだろう。
砂川リチャードは3本塁打17打点は全体の中でも最多。今年は三軍・二軍合わせて86試合を経験。本塁打を放った時の打球は一軍級。あとは対応力の高さが課題だけに17試合の経験を春季キャンプ、オープン戦で生かし、生き残れるか注目したい。
また山野辺翔は数字を見ればポテンシャルは高く、埼玉西武にとって野手全体の底上げは欠かせないだけに山野辺も成績を伸ばせるようになるとチームとしての隙がさらになくなる。
伊藤裕季也は2本塁打7打点と出場選手の中でもトップレベル。また全体トップの5盗塁をしているのも見逃せない。今回出場した選手の中でも一軍で最も活躍できる可能性を持った選手で、来季につながるのではないだろうか。
今回、吉田正尚級の選手はいなかったが、それでも来年へ期待を持たせる選手は多くいた。ぜひこの中から大ブレイクする選手が現れることを期待したい。
(記事=河嶋 宗一)
関連記事
◆アジアウインターリーグで活躍を見せた投手たち 来季は飛躍なるか?【NPB編】
◆考え方1つで結果は変わる。伊藤裕季也を急成長させた立正大の4年間
◆独自の感覚と50メートル5秒8の俊足を活かし勝利を呼び込む 小郷裕哉(立正大)