2020年リベンジへ!アンバサダー会議で垣間見えた菅野の進化
ミズノブランドアンバサダー会議に参加した菅野智之(読売巨人軍)
大学時代から、用具へのこだわりは非常に強い選手だった。
読売巨人軍のエース・菅野智之である。
今シーズンは二桁勝利こそ挙げたが、腰痛の影響もあり防御率はプロ入後ワーストとなる3.89。来シーズンは巻き返しを図る勝負の年となり、来オフにはポスティングシステムでのメジャーリーグ挑戦も噂されている。
幼少の頃から野球用具はミズノ一筋あることを公言している菅野だが、師走の恒例行事となったミズノブランドアンバサダー会議では、来季に向けて真剣な眼差しで用具と向き合った。
「グラムに関しては、年々体も変わってきてグラブの使い方も変わってきまし、ピッチングでも左手でリードしていくのは大事です。そこに決定した訳ではないですが、試行錯誤しながら一番良いものを見つけていく中で、試してみようかなと思いました」
実際、大学時代と比較しても菅野の野球用具は大きく変化を見せている。
まずグラブは、土手部分の芯とじが縦綴じから横綴じに変化してる。元々ピッチングでの左手の使い方を重要視している菅野は、グラブを引く感覚や抱え込む感覚を大事にしており、グラブは縦綴じのものを使用してきた。だが体の変化による感覚のズレを無くしていく中で、綴じ方が横綴じに変化してきたのだ。
縦綴じのグラブの特徴としてはポケットが深いためボールを収めやすく、投手であればあまり握り込まずに胸の前でバランスをとって投げるタイプが多い。それに対して横綴じのグラブは幅が広がりやすく、投手であればグローブを潰して握り込んで投げるタイプが多い特徴がある。
近年の菅野の投球フォームは明らかに後者であるように感じ取れ、そういった点から見ても自身の体の使い方に合ったグラブに変化してしてきているように感じられる。
またスパイクにおいても、大学時代は左右で金具の歯の数を変えるなど工夫を凝らしていたが、現在は左右のスパイクとも8本の金具のスパイクを使用して、歯の長さも短くなってきている。
これについて菅野は「最近どこの球場もマウンドが固くなってきているので、歯が引っかからないように削るなど工夫もしています」と話し、環境の変化への対応があった背景を明かす。
こうした細かな要望を伝えられるのがブランドアンバサダーの特権であり、その希望を叶えられるのはミズノが培ってきた技術があってこそのものだろう。
用具の面でも盤石の準備を行い、来シーズンの巻き返しを誓う菅野。メジャー挑戦も囁かれる中で、「日本のエース」が来シーズンどんな投球を見せるのか注目だ。
(記事=栗崎 祐太朗)
関連記事
◆巨人・菅野智之投手「心技体ではなく、体心技の考え方 」
◆菅野智之によって切り開かれた縦縞の黄金期。2000年代の東海大学のつながり
◆菅野、田中兄弟など現役の東海大相模OBは10名 高校時代の活躍も振り返る