甲斐拓也の背番号を引き継いだ海野隆司(東海大)のライバルになりそうな2人の若手捕手
海野隆司(東海大)
福岡ソフトバンク2位の海野隆司(東海大 関西出身)が仮契約を結んだ。
一番の武器は最速1.7秒台、コンスタントに1.8秒~1.9秒台を計測するスローイングだ。また打撃も年々改善され、4年秋に本塁打。4季連続リーグ優勝に導いた捕手としての総合力も一目を置かれている。
海野は正捕手・甲斐拓也(楊志館出身)が背負っていた「62」を引き継ぐ。今回テーマにしたいの海野が一軍定着するにはどの選手との勝負に勝たないといけないのか、把握しないといけないことだ。
まず福岡ソフトバンクの捕手陣でトップを走るのが、もちろん甲斐。これまで打撃が課題だった甲斐だが、今季は137試合に出場し、11本塁打、43打点、打率.260とキャリアハイの成績を残した。規定打席に到達して10本塁打を超えた捕手はパ・リーグMVPを獲得した森友哉と甲斐のみであり、まだ27歳とこれから全盛期を迎える選手で、この壁は非常に大きい。他では捕手として55試合に出場した髙谷 裕亮(小山北桜)だ。高谷は来年39歳。まず福岡ソフトバンクの若手捕手陣はこの高谷を抜いて第二の捕手となり、出場機会の座を伺っている。
海野にとっては大きなチャンスだといえるが、その海野の前に立ちはだかるのが、来年高卒6年目の栗原陵矢(春江工出身)、高卒4年目の九鬼隆平(秀岳館出身)である。栗原はファーム55試合に出場、9本塁打33打点、打率.323と二軍では格の違いを見せ、一軍では捕手としての出場は8試合にとどまったが、打撃を評価され、外野手として出場するなどキャリアハイの32試合に出場し、1本塁打7打点、打率.231と数字を伸ばしている。
九鬼もファームでは捕手最多となる69試合に出場。また九鬼も出場機会も求め、一塁手として出場するなど、計93試合に出場。6本塁打、34打点、打率.259と順調に数字を伸ばしている。そして今季は初の一軍出場を果たし、来季は大飛躍を狙っている。
海野はこの2人に勝負しなければならない。まず打撃面では勝つのが難しいだろう。海野の打撃を見ると、前捌きで打つ選手で、レベルの高い投手に対して、腰が引けた打撃になりやすい。スイングスピード、打撃技術など今年、上位指名を受けた打撃力が高い野手と比べると、差がある。
そうなると守備面で貢献度の高いパフォーマンスを発揮するしかない。後ろにそらさない、盗塁を2人よりも刺す、2人が受けた時よりも防御率が良いなど、見えない部分の守備の評価を高めて、首脳陣の信頼を深めることが大事になるだろう。
自分の立ち位置を理解し、地道ながらも一歩ずつ実力を伸ばすことができるか。首脳陣の目に留まる貢献度の高い活躍ができれば、一気に2人を追い抜くチャンスが訪れる。その時が来るまで地道に努力を重ねるのみだ。
(記事=河嶋 宗一)
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