神宮優勝の中京大中京。快進撃の秋を総括。全国制覇へ向けての課題は各選手の底上げ
左から印出太一主将、高橋宏斗投手(中京大中京)
明治神宮大会優勝の中京大中京が全国制覇へ向けて土台を固めている。この夏は準決勝敗退。実力はないわけではない。あと一歩で勝ちきれない歯がゆさを選手たちは感じていた。主将・印出太一を中心に結束を固め、中京大中京は主将以外に、投手、捕手、内野手、外野手のリーダーが各ポジションを練習から引っ張った。
高橋源一郎監督は「今年は去年から出ている選手も多く、経験値の高さや、選手のレベルも高く、ある程度やれると思いましたが、それだけで勝ちに直結はしません。ただ、今年の選手たちはスタートしたときから神宮制覇を具体的に口にしていましたし、印出を中心にまとまったチームでしたので、優勝した1つの要因だといえます」と振り返った。
高橋監督が明治神宮大会優勝で1つ収穫にあげたのは「無失策」で終えたこと。
「神宮も苦しい試合が多かったのですが、守備のミスをすることなく勝てたのは、特に内野手たちのリーダーである中山礼都を中心にどうすれば守れるのかを考えながら練習に取り組んでいたのがあると思います。練習はうそをつかないといいますが、そういう選手たちの努力が実ったのは、監督として嬉しいものでした」
現在はトレーニング移行期に入り、年末に台湾遠征があるが、来年活躍するために大事な期間に入った。すぐにがっつりトレーニングをするのではなく、最大効果を上げるために、トレーナーから1時間に及ぶ座学を受け、トレーニングに必要な考え、ケガを防ぐには必要な考えをレクチャーしてもらいながら、取り組む姿はさすがであった。
印出、エース・高橋宏斗を中心とした主力選手たちは個々のスキルアップ。そして、高橋監督は多くの選手の底上げを期待する。特に高橋宏、147キロ左腕・松島 元希に続く投手たちの底上げだ。
「まず一定以上の球速、キレは求めて生きたいところですが、投手が活躍するのはそこだけではないですし、どうすれば高橋たちにはないところで勝負できるのか、考えて、練習に取り組んでほしいですし、アピールをしてほしい。監督としてはアピールして勝負する選手の姿を見逃さず、チャンスを与えたいと思います」
来年、マークを受けることになるが、それでも選手たちは挑戦者の気持ちを変えるつもりはない。春夏合わせて全国最多の113勝、11回の優勝を目指して、来春まで日本一のチームを作り上げる。
(記事=河嶋 宗一)
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