プロ野球で活躍している投手全員が怪物だったわけではない!千賀、宮西など高校3年間で20キロ以上も球速アップした投手たち
福岡ソフトバンクホークス・千賀滉大(写真提供=福岡ソフトバンクホークス)
投手で「速い球」を投げたい欲求は必ずあるだろう。速い球がすべてではない。コントロールも大事と分かっていても、一定レベルの速球が投げられなければ、次のステージでプレーできる確率は低くなる。
プロや社会人など高いステージでプレーしている投手は少年時代からずば抜けて速い球を投げていたわけではない。そんな球速でもプロ入りできるまで速くなったんだと思わせる一例を紹介したい。
まず福岡ソフトバンクの千賀 滉大(蒲郡出身)は、高校1年の時は最速120キロだった。自分より遅いと思った高校生は多いだろう。ただ、千賀は食事量を増やし、長距離、中間走、ポール間ダッシュを来る日も来る日も繰り返し、20キロ以上早くなり、144キロまでレベルアップした。
そしてプロ入り後は最速161キロまでスピードアップ。高校でも、プロでも15キロ以上球速が速くなった奇跡のスピードピッチャーだ。
千賀よりもっと遅い投手がいる。それが今年、2年連続3度目の最優秀中継ぎを達成した宮西尚生(市立尼崎出身)だ。なんと入学当初の球速は108キロだった。
それでも竹本 修監督は、体が開いてもなかなかボールが抜けないホールド力、けん制、バント処理、ショートスローの上手さを評価し、プロに行ける器と感じたようだ。最終的には体づくりを行い、高校3年冬に141キロまでスピードアップを遂げた。信じられないような成長を見せたが、こういう一例もある。
また今季68試合に登板し、2勝3敗4セーブ28ホールドの活躍を見せた梅野雄吾(九産大九産)も中学時代は内野手で、入学当時は125キロ。そこから体づくりに取り組んで、最終的には154キロまで速くなった。
左から習志野・飯塚脩人、津田学園・前佑囲斗
そのほかにも高校時代に一気に速くなった投手を紹介したい。一部、入学当初の球速がアベレージのスピードになっている投手については本人の自己申告にしている。
・前 佑囲斗(津田学園-オリックス4位)
入学時 128キロ⇒152キロ
・有村大誠(秀岳館-立命館大)
入学時 118キロ⇒高校3年春 144キロ ⇒現在151キロ
・長谷川宙輝(聖徳学園-福岡ソフトバンク-東京ヤクルト)
120キロ⇒高3年夏 144キロ⇒現在150キロ超
・飯塚 脩人(習志野ー早大進学予定)
120キロ中盤⇒高3年夏 151キロ
前や飯塚のように入学時は120キロ台でも日本代表まで上り詰めた投手がいるのだから励みになるデータだろう。
現在は動画を中心に速球を速くするメソッドが眠っているだけに貪欲に取り組んで、この冬は「進化の冬」にしたい。
高校野球ドットコムでは殖栗正登による155キロプロジェクトや、殖栗正登のベースボールトレーニング&リコンディショニングなど球速アップのための動画をたくさん公開しています!ぜひ動画をチェックして、冬のトレーニングに生かしていこう!!
(記事=河嶋 宗一)
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