11月19日、明治神宮野球大会準決勝の慶應義塾大vs城西国際大は6対1で慶應義塾大が勝利した。この試合で今大会最速となる151キロを計測したのが、木澤 尚文(3年・慶應義塾)だ。

 もし観客が多い中の試合であれば、もっとざわめくような剛速球だった。木澤が投じた1球目は151キロを計測。たった1球で、大会最速右腕に躍り出た。

 その後のピッチングも常時140キロ後半の速球、130キロ前半のカットボール、スプリットで次々と三振を奪う。5回まで被安打3、四球3、7奪三振、1失点の快投を見せた。格の違いを見せたかのようなピッチングだったが、木澤自身、「今日は良くなかったです。ストレートは勢いがありましたし、低めの変化球も見極められて、そこからピッチングが苦しくなったところがあります。もう1つの引き出しがあれば良いと思いました」
 木澤は110キロ台の曲がりの大きいカーブもあり、いくつか投げていたが、「一発勝負のトーナメントということで、使うのはなかなか難しかったです。だけど、5回しか投げられず、リリーフ陣に負担をかける形になってしまい、申し訳ない気持ちでした」と反省の様子だった。それでも大器の片りんを感じさせるピッチングだったということは間違いない。

 中学時代は坂倉 将吾日大三―広島)と同じ八千代中央シニア出身。慶應義塾高に進み、最速144キロ右腕までに成長するが、最後の夏に右ひじの靭帯を損傷。リハビリと並行しながらウエイトトレーニングを行い、さらに前任の林卓史コーチから投球フォームを一から学び、そして現在は助監督の竹内大助氏からもピッチングについて学び、この春はリーグ戦で2勝を挙げ、春の早慶戦で154キロをマークした。

 今秋は肩を痛めて、出遅れ。登板はわずか1試合。それでも神宮大会では自慢の剛速球が投げられるまでに復活した。

 全国舞台で投げたからこそ感じられたものはあるはず。そして、木澤は11月30日から始まる侍ジャパン大学代表の候補合宿の追加招集が決まった。

 一流選手と混じりながらプレーすることで、飛躍のきっかけをつかむことはできるか。