マムシのようにしつこい強力打線・天理はいかにして作り上げたのか?

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2019.11.19

大会新記録となる3本塁打を放った河西陽路

 明治神宮大会準決勝で敗れたが、天理打線は強烈な印象を残した。

 近畿大会4試合で8本塁打、明治神宮大会で2試合で5本塁打と計6試合で12本塁打と圧巻の打撃を見せてくれた。それも全国的に見れば、投手力が高い履正社大阪桐蔭仙台育英中京大中京など強豪相手に残した数字だけにその価値は高い。

 天理はそのパワーだけではなく、掴まれたらなかなか離さないマムシのようなしつこさがある。

そんな天理打線を築き上げたのが、元プロ野球選手の中村良二監督だ。天理出身の中村監督は1986年にドラフト2位で近鉄に入団。通算41試合出場した。2015年から監督に就任し、2017年の甲子園では強打を武器にベスト4まで勝ち進んだ。

 そんな中村監督の指導は、基本的に「思い切り振る」「強く振る」などシンプルな方針かつ、実際に実演しながらの教えが中心だ。 この神宮大会では、大会新記録となる3本塁打を放った7番・河西 陽路や、近畿大会決勝戦から3試合連続弾を放った 3番・ 瀬 千皓も、思い切り振ることを大事にしている。

 この表現は当たり前のことのように言われるが、実際に天理の打者を見ると、打撃に迷いがない。結果を気にせず思い切り振れているのが結果として出ている。

 

では、技術的にアプローチしていることは何か。それについては仙台育英戦で3打点の活躍を見せてくれたセカンドの6番・田中 輝希が詳しく解説してくれた。

「トップの位置、軸足と前足の重心の割合など打撃フォームの部分まで細かくしてくれます。最初は言葉で説明してくれますが、監督さんはティーで打って実演してくださいますので、非常にわかりやすいです」

 実際に天理の打者たちの動きを見ると合理的。スクエアスタンスで構え、グリップの位置は高すぎず、低すぎず、ゼロポジションを意識した構えで、オーバーなアクションを取ることなく、スイングに入っていく。そのため構え遅れがないので、速球投手にも対応ができるのだ。

 また量の中に質を求めてきた。朝練習、練習後の自主練習のスイング数は400本。その中で質を大事にして、高度な打撃を築き上げた。

 神宮大会では4強に終わったが、来年も全国の高校野球ファンを驚かせる強打を発揮できるか、注目だ。

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