阪神8年間は悔しさでいっぱいも球団に感謝。歳内宏明が阪神ラストユニフォームで力投!
プロ野球12球団合同トライアウトに参加した歳内宏明選手
11月12日に[stadium]大阪シティ信用金庫スタジアム[/stadium]で行われた12球団合同トライアウト。阪神タイガースから戦力外通告を受けた歳内宏明も参加した。
聖光学院時代は2年夏と3年夏にエースとして甲子園に出場した。2年時には有原航平(北海道日本ハム)を擁する広陵に勝利するなど、ベスト8進出に貢献。3年時は2回戦で敗れたが、スプリットを武器に2試合で30奪三振を記録した。
2011年のドラフト会議で阪神から2位指名を受けて入団。しかし、右肩の故障で育成落ちを経験するなど、プロでは思うような成績を残せなかった。昨年に故障が癒えて支配下登録に復帰したが、「上(1軍)の人たちが凄いので、食い込んでいけなかった」と1軍のマウンドに戻ることはできなかった。
「タイガースのユニフォームを着るのが今日で最後なので、思い切って投げようと思いました」と意気込んで臨んだトライアウトの対戦打者と詳細は以下の通り。
松尾大河(横浜DeNA) 中安
橋本到(東北楽天) 中飛
岸里亮佑(北海道日本ハム) 見逃し三振
先頭の松尾に安打を打たれたが、「3人目でやっとしっかり投げることができたと思います」と3人目の岸里をストレートで見逃し三振に打ち取った。「体は元気」と話すように古傷の影響を感じさせない様子だった。
今後については「まだ何も考えていないです」と話した歳内。まずはNPB球団から獲得の連絡を待ち、1週間以内に獲得の連絡がなければ、その後に進路を考える意向だ。
阪神で過ごした8年間についてはこう振り返ってくれた。
「悔しい思いが多かった8年間ですね。怪我もありましたが、よくここまで待ってくれたなと思います。ここまでやらせてもらえて、感謝の気持ちでいっぱいです」
怪我で投げられない時でも復帰を待ってくれたことに感謝の意を述べた歳内。東日本大震災で被災した人々の想いを背負って投げた姿は多くの人々の心に残っていたことだろう。もう一度、彼の雄姿を見たいと思っている人は少ないくない。
取材=馬場 遼