堀井監督就任からアマチュア屈指の育成機関へ変貌したJR東日本 15年間で22名プロへ輩出して現在も9年連続指名継続中!
ドラフト会議2019で読売ジャイアンツにドラフト2位指名された太田龍(JR東日本)
2004年12月から15年間、JR東日本の監督を務めた堀井哲也監督が退任となった。静岡・韮山出身の堀井監督は慶應義塾大に所属し、卒業後は3年間、三菱自動車川崎に所属。現役時代は外野手として活躍した。その後、三菱自動車岡崎のマネージャー、監督を経て、2004年12月からJR東日本の監督となった。
JR東日本では優勝1回(2011年)、準優勝2回(2012年、2013年)と実績を残した。特筆すべきはチームの実績だけなく、プロ入り選手を多く輩出していることだ。堀井監督が就任してからプロ入りした選手は以下の通り。
■2005年
東京ヤクルト 大・社ドラフト 3位 松井光介(横浜-亜細亜大)投手
■2006年
巨人 大・社ドラフト6位 寺内崇幸(栃木工)内野手
■2007年
横浜 大・社ドラフト1位 小林太志(富岡‐立教大)投手
東京ヤクルト 大・社ドラフト5位 中尾敏浩(PL学園-青山学院大)外野手
■2008年
横浜5位 小杉陽太(二松学舎大附)投手
■2011年
埼玉西武1位 十亀剣(愛工大名電‐日大)投手
オリックス 2位 縞田拓弥(東福岡‐日大)内野手
オリックス8位 川端崇義(東海大相模‐国際武道大)内野手
■2012年
オリックス6位 戸田亮(東京大成‐高千穂大)投手
■2013年
オリックス1位 吉田一将(青森山田‐日本大)投手
広島東洋 3位 田中広輔(東海大相模‐東海大)遊撃手
中日 4位 阿知羅拓馬(大垣日大)投手
■2014年
オリックス6位 坂寄晴一(鉾田一 -国士舘大)投手
オリックス7位 西野真弘(東海大浦安-国際武道大)内野手
広島6位 飯田哲矢(藤沢翔陵‐亜細亜大)
■2015年
千葉ロッテ2位 関谷亮太(日大三 -明治大)投手
千葉ロッテ4位 東條大樹(桐光学園‐青山学院大)投手
中日6位 石岡諒太(神戸国際大附) 外野手
■2016年
横浜DeNA8位 進藤拓也(西仙北‐横浜商科大)
■2017年
オリックス1位 田嶋大樹(佐野日大)投手
■2018年
福岡ソフトバンク 板東湧梧(鳴門)投手
■2019年
巨人2位 太田龍(れいめい)投手
15年間でドラフト指名がなかった年は2回だけ
ドラフト会議2018でソフトバンクホークスに指名された板東湧梧(写真はJR東日本時代)
なんと15年間でドラフト指名がなかった年は2009年・2010年の2回だけ。2011年以降は9年連続でドラフト指名を受け、合計22人も指名されている。投手、捕手、内野手、外野手と満遍なく送り出している。
その一因として、堀井監督はコーチングスタッフ、外部コーチを強化していることが大きい。
元大洋・横浜では内野手として活躍した銚子利夫氏が外部スタッフとして活躍し、ヤクルトでは投手として活躍した安田猛氏も外部スタッフになった時期があり、安田氏は田嶋大樹がJR東日本に在籍中、手取り足取り指導していた姿が印象深い。
もう1つは練習環境の変化。2009年から当時の幕張から柏市へ移転。野球場、人工芝の雨天練習場、ウエイト場。さらに食事面のサポートも手厚く、その環境の良さはNPBに匹敵するものがある。
最後にプロ入り選手は上位だけではなく、下位選手も多い。これはどんな評価でもいいので、プロ入りしたい選手にとっては喜ばしい環境であろう。
もちろん十亀剣、田中広輔のように主力選手として活躍しているもあれば、早くも現役を退いている選手もいる。それでもNPBの経験はその選手の人生にとってプラスになるものだと思い輩出しているのだろう。
輩出数、活躍度を見れば、JR東日本はアマチュア屈指の育成機関であることは間違いないだろう。これからもJR東日本はその体制であることを願いたい。
また慶応大の監督に就任する堀井氏も、ぜひ強力な選手を育て上げる育成機関にすることを期待したい。
(記事=河嶋 宗一)
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