球団史上、13年ぶりとなる高校生左腕1位指名となった宮城大弥(オリックス)は大成なるか?
宮城大弥(興南)
オリックス・バファローズドラフト1位指名の宮城大弥(興南)。実はオリックスは阪急やオリックス・ブルーウェーブ時代を振り返っても、高校生左腕を1位指名したケースは数少ない。
1966年 水谷孝(三重三重)
1977年 松本正志(東洋大姫路)
1986年 高木晃次(横芝敬愛)
1994年 嘉勢 敏弘(北陽)
1997年 川口 知哉(平安)
2000年 内海 哲也(敦賀気比)※指名拒否
2006年 延江大輔(瀬戸内)高校生ドラフト
1965年からドラフト会議がスタートして、わずか6人しかいない。
入団した投手の中で実績を残しているのは、水谷孝、高木晃次、嘉勢 敏弘の3人だろう。
三重高出身の水谷は入団2年目の1968年に15勝をマーク。その後も阪急時代は4度の二けた勝利を挙げ、通算53勝をマーク。
横芝敬愛出身の高木は高校時代、速球派投手として注目され、甲子園出場はないものの、同校初のドラフト1位指名選手となった。
プロ入り後は中継ぎとしてしぶとく生き残り、阪急、ダイエー、ヤクルト、千葉ロッテと渡り歩きながら、2009年まで現役を続け、357試合に登板。地味ながら確実に仕事をこなす頼もしい投手だった。
北陽出身の嘉瀬は1997年に一軍初登板を経験するが、当時は野手兼任としてプレーしており、通算17安打、9打点を記録している。
投手として2001年に自己最多の70試合に登板するなど中継ぎ左腕として活躍した。
宮城も水谷、高木、嘉瀬に並ぶ活躍を見せる可能性は秘めている。好調時は常時140キロ後半の速球を投げ、空振りを奪えるスライダー、チェンジアップが投げられる。そして、雨の中でも、なかなか援護の中で恵まれない中でも顔色一つ変えず投げられる精神力の強さを持っている。
実力的には今年の大学生、社会人の中でもトップレベルの力量を持った左腕であり、早い時期からの活躍が期待できるのではないだろうか。くじを外してしまったが、非常に良い指名だった。
現在のオリックスは山岡泰輔、山本由伸など若手の速球派右腕が多数続出しているが、宮城も台頭に期待がかかる。1年目からどんなパフォーマンスを見せるか楽しみだ。