「プレイヤーズファースト」「チームファースト」を信念にしてきた大久保秀昭監督(慶応大)の偉大な実績を振り返る
大久保秀昭監督
慶應義塾大の大久保秀昭監督が退任を発表した。改めて実績を残した。まずチーム面の実績を振り返ると、2014年12月から監督に就任した大久保監督は、2017年秋、2018年春、2019年秋と3度のリーグ優勝。
そしてプロ入り選手は8人輩出。
2019年 津留崎 大成(東北楽天・3位)
郡司 裕也(中日・4位)
柳町 達(ソフトバンク・5位)
植田将太(ロッテ・育成2位)
2017年 岩見雅紀(東北楽天・2位)
2016年 矢崎拓也(広島・1位)※旧姓:加藤
2015年 横尾俊建(日本ハム・6位)
山本泰寛(巨人・5位)
まさに名監督だっただろう。その指導の中身に迫ると、「プレイヤーズファースト」「チームファースト」を大事にする方だった。指導者として選手のことをリスペクトし、やるのは選手、チームを動かす選手と考え、自発的に行動できて、さらにチームのために何ができるかを考えて行動できる選手を育てることを信念としてきた。
強い集団にするために、リーグ戦でベンチ入り選手の条件を投手、野手別で設けて、そのため選手は自ら考えて、スキルアップに取り組み、多くの選手の才能を育んできた。
その結果、投手は140キロ後半の投手が続出。打線については今秋のリーグ戦を振り返っても、リーグトップの打率.260、リーグ2位の6本塁打、リーグ最少の6失策と投、打、守の三拍子揃ったチームに育て上げた。
これからの時代はチームが勝つだけではなく、高いパフォーマンスを発揮できる選手を一人でも多く育てられたが評価される時代になる。
大久保監督が名将として評価されているのは、リーグ戦優勝回数以上に、プロ入り選手だけではなく、社会人野球で活躍できる技量を持った多く育てているからだろう。
大久保監督はかつて務めたJX-ENEOSの監督に就任する。近年、都市対抗に出場ができず、低迷が続いているが、ポテンシャルの高い選手は多い。再び強いチームを育て上げ、社会人野球を盛り上げてほしい。