神宮大会出場を決めた仙台育英の戦いを振り返る!!
笹倉世凪(仙台育英)※写真=共同通信社
秋季東北大会は仙台育英の優勝で幕を閉じた。今夏の甲子園でベスト8に進出し新チームのスタートが遅れた。しかし、そんなことを物ともせずに見事神宮大会出場を決めた仙台育英の戦いを振り返る。
■秋季宮城県大会 1次予選
中部予選順位決定戦 対東北 6対5 〇
中部予選準決勝戦 対聖和学園 10対1 〇
中部予選決勝戦 対仙台一 7対0 〇
■秋季宮城県大会
2回戦 対聖和学園 11対2 〇
準々決勝 対東北 9対7 〇
準決勝 対仙台城南 9対0 〇
決勝 対仙台商 12対1 〇
■秋季東北大会
2回戦 対明桜 9対8 〇
準々決勝 対一関学院 6対1 〇
準決勝 対盛岡大附 9対2 〇
決勝 対鶴岡東 11対8 〇
1次予選は県内屈指のライバル校である東北と対決。試合は仙台育英がサヨナラ勝ちで下し勝利する。1点ビハインドの二死、満塁でサヨナラ打を放った笹倉世凪は、1年生ながら今夏甲子園を経験するスーパー1年生と呼び声高い選手。この勢いそのまま宮城県大会に臨むが再び東北と準々決勝で再戦。ここでも主役は笹倉のバットだった。9回表に逆転のを許し絶体絶命で迎えた9回裏に、無死一、二塁からバックスクリーン左にサヨナラ3ランで試合を決めた。準決決勝は、危なげない戦いを披露し1位通過で東北大会進出。
センバツに向けてはまずは初戦突破は必須条件。明桜との試合は、9対8のシーソーゲームを制し勝利。今年の仙台育英は、逆転するイメージが非常に強くこの試合も延長での逆転勝ち。選手たちの集中力を称賛できる戦いぶりであると思う。
センバツ出場をほぼ手中に収め、迎えた鶴岡東との決勝戦はまたしてもシーソーゲーム。先発笹倉がピンチを招き降板すると後続にも連打。一挙6失点をされるが、8回二死無走から5連打4得点で逆転。そのまま逃げ切り、3年ぶり10度目の秋季東北王者に輝いた。
決勝・鶴岡東戦も16安打を放つなとチームは4試合で68安打35得点の素晴らしい打撃力。その中で、投打に活躍を見せるのが笹倉の存在だ。打撃ではサヨナラ打を2度も記録。5番を主に任され打線の柱として優勝に貢献。心配であるのがピッチングの方だ。ピシャっと抑える試合が少なく計算が難しいのが現状である。そこで、同じく1年生で甲子園を経験した伊藤樹の存在が重要と考える。体力的にも技術的にもまだ笹倉、伊藤の完投は難しい。神宮大会を含めて今後は、継投のタイミングがカギとなり打線が逆転できる点差に抑えることが必須となるだろう。