ロッテ佐々木朗希は唐川侑己以来12年ぶりの「高卒ドラ1投手」
ロッテから1位指名の佐々木朗希(大船渡)
10月29日、ロッテの井口資仁監督が、佐々木朗希(大船渡高校)の元を訪れ指名挨拶をおこなった。最速160キロを超えるストレートを投げるとはいえ、佐々木は高卒ルーキー。1年目は二軍での身体作りが中心となることが濃厚だ。数年後に投手陣の柱へとなるような育成プランが組まれることになるだろう。
さて、近年のロッテは平沢大河(2015年)、安田尚憲(2017年)、藤原恭大(2018年)と高卒野手の目玉をドラフト1位で獲得し続けてきた。しかし、不思議と高卒投手を1位で獲得していない。
振り返ってみると高校生と大学生・社会人の分離ドラフトが終了し、統一ドラフトとなった2008年以降、1位で高校生投手を獲得したのは初めてのことだった。ちなみに、抽選に外れたことで獲得には至らなかったが、2011年に大阪桐蔭高の藤浪晋太郎(現・阪神)へ入札している。
一方で2005年から2007年にかけて行われた高校生ドラフトでは、柳田将利(2005年/青森山田高校)、大嶺祐太(2006年/八重山商工高校)、唐川侑己(2007年/成田高校)と1巡目はすべて投手だった。その前を遡ると内竜也(2003年/川崎工業高校)が、高卒投手の1巡目指名となっている。
佐々木が入団に至れば、分離ドラフトを含めると2007年の唐川以来12年ぶり、それを除くと2003年の内以来16年ぶりの高卒投手の1位指名選手となるわけだ。
このようにロッテには近年のドラフトで1位指名した高校生投手は不在だが、決して高校生投手が育ってないわけではない。
2019年シーズンは種市篤暉(2016年6位/八戸工大一高校)が、チーム最多タイとなる8勝を挙げた。その他にも、7勝の二木康太(2013年6位/鹿児島情報高校)や5勝の岩下大輝(2014年3位/星稜高校)と高卒でプロ入りを果たした投手たちが結果を残している。
チームにとって久々の「ドラ1の高卒投手」となる佐々木は、金の卵から孵化し投手陣の柱、さらにはエースへと成長することができるだろうか。
ロッテのドラフト1位
※2001年以降
※自由獲得枠含む
2019年:佐々木朗希(投手/大船渡高校)
2018年:藤原恭大(外野手/大阪桐蔭高校)
2017年:安田尚憲(内野手/履正社高校)
2016年:佐々木千隼(投手/桜美林大学)
2015年:平沢大河(内野手/仙台育英高校)
2014年:中村奨吾(内野手/早稲田大学)
2013年:石川歩(投手/東京ガス)
2012年:松永昂大(投手/大阪ガス)
2011年:藤岡貴裕(投手/東洋大)
2010年:伊志嶺翔大(外野手/東海大)
2009年:荻野貴司(外野手/トヨタ自動車)
2008年:木村雄太(投手/東京ガス)
2007年:服部泰卓(投手/トヨタ自動車)※大学生・社会人ドラフト
2007年:唐川侑己(投手/成田高校)※高校生ドラフト
2006年:神戸拓光(外野手/流通経済大学)※大学生・社会人ドラフト
2006年:大嶺祐太(投手/八重山商工高校)※高校生ドラフト
2005年:根元俊一(内野手/東北福祉大学)※大学生・社会人ドラフト
2005年:柳田将利(投手/青森山田高校)※高校生ドラフト
2004年:手嶌智(投手/新日本石油)※自由獲得枠
2004年:久保康友(投手/松下電器)※自由獲得枠
2003年:内竜也(投手/川崎工業高校)
2002年:西岡剛(内野手/大阪桐蔭高校)
2001年:喜多隆志(外野手/慶応大学)
文=勝田聡