巨人の一軍野手総合コーチに就任した石井琢朗氏はドラフト外入団組
10月29日、巨人が来シーズンの組閣を発表した。4年ぶりの復帰となった原辰徳監督はもちろん続投。その参謀役となるヘッドコーチには元木大介内野守備兼打撃コーチが配置転換され就任する。
また、今シーズン限りで現役を引退した阿部慎之助が、二軍監督のポストに就いた。将来の一軍監督へ向け、まずは二軍で指揮を執る。その他にも二岡智宏氏や山口鉄也氏といった巨人を支えてきたメンバーが集結。セ・リーグ2連覇へ向け、そして日本一奪回へ向けて動き出した。
そのなかで注目されるのが、一軍野手総合コーチに就任した石井琢朗氏だ。石井氏は広島とヤクルトで打撃コーチとして実績を残し、今シーズン限りでヤクルトを退団。その手腕には定評があり、来シーズンの去就が注目されていた。現役を引退してから3球団目のコーチ職ということからも、評価の高さはうかがいしれる。
石井氏は1988年に足利工業高校から大洋(現・DeNA)に投手として入団。プロ入り後に野手へ転向し、通算2432安打を記録した名選手でもある。その石井氏はドラフトで指名されておらず、ドラフト外での入団だったことでもよく知られている。
来季より巨人の一軍野手総合コーチに就任する石井琢朗
現在は認められていないドラフト外での入団からは、石井氏以外にも多くの名選手を生んできた。投手では江本孟紀氏(東映/現・日本ハム)や西本聖氏(巨人)、大野豊氏(広島)といった時代を作った選手たちがドラフト外入団だ。野手では石井氏をはじめ、平野謙氏(中日)や松永浩美氏(阪急)らが名を連ねる。
その他にも栗山英樹日本ハム監督や秋山幸二元ソフトバンク監督といった、NPBの監督経験者もドラフト外での入団である。
1990年にドラフト外での入団は廃止されており、2019年シーズンにおいてドラフト外での入団選手はひとりもいない。2012年に現役を引退した石井氏は、最後の現役ドラフト外入団選手でもあった。
1970年生まれの石井氏は来シーズン中に50歳となる。健康体であれば、これから先もまだまだ首脳陣としてポストは引く手数多だろう。ドラフト外入団最後の「現役選手」が、ドラフト外入団最後の「首脳陣」となる可能性も十分にありそうだ。
文=勝田聡