夏の甲子園8強!国体でも優勝した関東一の今後の課題は投手陣?!
重政拓夢
夏の甲子園ではベスト8、そして茨城国体では優勝を決めるなど東東京が誇る全国区のチーム・関東一。新チームは秋季東京都大会3回戦で同じ東東京の名門・帝京と打ち合いを演じたが、7対9で惜敗。2季連続甲子園とはならなかった。
しかし来春の東京都大会ではシード校として出場し、2年連続夏の甲子園へ期待される関東一の秋の戦績を簡単に振り返っていきたい。
■秋季東京都大会 一次予選
1回戦 対淑徳(試合レポート) 13対2 〇
代表決定戦 対拓大一(試合レポート) 5対0 〇
■秋季東京都大会
1回戦 対日大鶴ヶ丘(試合レポート) 4対2 〇
2回戦 対駒込(試合レポート) 13対0 〇
3回戦 対帝京(試合レポート) 7対9 ●
夏の甲子園で履正社に敗戦してから1ヵ月経たないうちに秋の大会を迎えた関東一だったが、初戦の淑徳戦では貫録の5回コールド勝ち。この試合の終了後、今年のチームについて米澤貴光監督は「投手陣の軸がいないので、細かく繋いで打力でカバー」と語っている。
その中でキーマンとなったのが甲子園を経験する1年生・初谷健心と2年生・重政拓夢の2人だ。
予選2試合ともに本塁打を放った重政は、3番に座り打線の中軸を担う。中学時代は世田谷西シニアで日本一を経験するなど、高い期待をされて関東一に入っているスラッガー。都大会でも2回戦・駒込戦、3回戦の帝京戦ではともに二塁打を放つなどチームの勝利に大きく貢献した。
そして初谷は1年生ながら甲子園で試合に出場し、チームのベスト8に貢献。本人もあの夏を経験したことで「緊張しなくなり、チームのことまでしっかり見られるようになった」とプラスに働いている。米澤監督も「体が出来てくればすごくいい選手になる。一生懸命やってくれる子なので、期待したい」と初谷へ高い期待をしている。
その初谷は新チームでは1番に座り、切り込み隊長として打線を牽引。2回戦の駒込戦では5打数3安打1四球を記録するなど、シード権獲得に大きく貢献した。
また関東一らしい隙を逃さない足を使った攻撃は新チームでも健在。「あれができて初めて試合に出られる」というレベルの高さが、関東一の攻撃力を今後も支えていくことになりそうだ。
だが米澤監督が懸念したように、新チームは投手陣が課題。3回戦の帝京戦では4投手を繋ぐも9失点。7点を奪った打線の援護を守り切れずに敗戦し、ベスト8を逃している。
エース・今村拓哉を筆頭に、星瑠斗、石澤真樹、領家佑馬、小野寺勇輝、市川祐と6投手が秋の大会でマウンドに上がった。この中からチームを引っ張る投手が1人ないしは複数出てくると、関東一の戦力はさらに凄みを増してくるはずだ。
春以降も注目校としてライバルから厳しいマークにあうであろう関東一。一冬超えて、一回りも二回りを成長した姿で春の東京を勝ち上がっていくのを楽しみにしたい。