近畿大会ベスト8!明石商のポイントは来田、中森のドラフト候補コンビを支える新戦力!
中森俊介と来田涼斗
白熱の近畿大会も残すは4校。夏の王者・履正社に復活を目指す大阪桐蔭、さらに奈良の智辯学園に天理と全国クラスの学校が生き残った。2日、3日の準決勝と決勝戦は目が離せないが、近畿大会の優勝候補の一角に挙げられた明石商はベスト8止まりとなった。
大阪桐蔭との超注目の一戦を3対4で落とし、選抜出場は微妙な立ち位置に。しかし、激戦区・兵庫県を勝ち抜いた実力は全国のトップ。来春以降も注目される学校の1つであることは間違いない。そこで今回は明石商の秋を簡単に振り返りたい。
■秋季兵庫県大会
2回戦 対舞子 11対1 〇
3回戦 対関西学院 8対1 〇
準々決勝 対赤穂 11対0 〇
準決勝 対神戸国際大附 4対3 〇
決勝 対報徳学園 1対5 ●
■近畿大会
1回戦 対東山 8対3 〇
準々決勝 対大阪桐蔭 3対4 ●
夏の甲子園ベスト4だった明石商は、地区予選は免除され県大会からスタート。選抜、そして甲子園を沸かせた来田涼斗を主将に、エース・中森俊介との投打の柱を中心に勝ち上がってきた。
初戦の舞子を7回コールドで下すなど、準々決勝までは全試合コールド勝利で順調に勝ち進む。準決勝では夏の決勝戦で死闘を演じた神戸国際大付との再戦。エース・中森は7回に足をつるアクシデントに見舞われながら何とか3失点完投。打線が序盤に重ねてきた点数を何とか守り抜き、近畿大会の切符を確保した。だが、決勝戦の報徳学園戦では序盤に4失点するなど苦しみ、途中降板。チームも1対5で敗戦。
中森自身は、新チーム結成時からフォーム固めに苦戦を強いられており、なかなか本調子とはならない。主将の来田も県大会初戦の舞子戦では1安打2打点、準決勝では初回にタイムリー放つなどを活躍するが、一方で準々決勝の赤穂戦では3打席全て四球など勝負を避けられる場面も出てくるなど、投打の柱が次第に厳しいマークを受けるようになる。その影響もあってか、秋の県大秋3連覇を逃すこととなった。
それでも兵庫2位で迎えた近畿大会では、初戦の東山戦では3回に一挙5点を奪うなど打線が先発・中森を援護。中森も9回167球の粘りの投球で応え、初戦を8対3で勝利。選抜へ一歩前進した。だが、準々決勝の大阪桐蔭戦では主将・来田のタイムリーなどでリードするものの、3回に死球からピンチを招き、大阪桐蔭の西野力矢の一発で同点。さらに6回にはバッテリーエラーで勝ち越しを許し、明石商は紙一重で大阪桐蔭に敗戦し、近畿大会ベスト8で秋を終えた。
あと一歩で選抜出場をほぼ手中にし損ねたが、4番の1年生・福本綺羅が大阪桐蔭戦では三塁打を放つなど、秋を通じて少しずつ新たな選手たちが頭角を現してきた。彼らの台頭が来田・中森コンビの負担を減らすにつながれば、さらに隙のないチームになるはずだ。
また旧チームは重宮涼や安藤碧、水上桂など試合で自分の役割をきっちりこなす選手が多く、安定感のある野球が印象的だった。今年もそういった選手たちが一冬超えてチーム内に現れれば、明石商らしい強さがまた見られるはずだ。
2020年の高校野球界も盛り上げてくれることを切に願って、来春の明石商の成長した姿を楽しみに待ちたい。
■近畿地区大会
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