藤代時代には2年春の選抜出場!小柄な剛腕・美馬学がFA宣言
27日、東北楽天ゴールデンイーグルスの美馬学投手がフリーエージェント(FA)宣言の行使を表明した。今季、チームで唯一規定投球回を投げた右腕には、複数球団が興味を示している。
後のドラ1右腕や、全国制覇の強豪がいる茨城で活躍
藤代高校野球部イメージ
高校時代には茨城県の強豪・藤代で活躍した美馬。当時の茨城には須田幸太(元横浜DeNA・現JFE東日本)擁する土浦湖北や、2003年夏の甲子園優勝の常総学院がいるなど、熾烈な競争が繰り広げられていた。
そんな中、出場を果たした2年春の選抜では駒大苫小牧との2回戦で1失点完投勝利。しかし徳島商との3回戦で敗退し、初の全国舞台を終えた。迎えた2年夏、順調に勝ち上がった藤代は、準決勝で土浦湖北に4対3で勝利。決勝ではその夏全国制覇を果たした常総学院に1対7で敗れ、2季連続の甲子園はならなかった。
2年秋は県大会初戦で敗れ選抜出場を逃すも、3年春の県大会では8強に進出。シード校として臨んだ高校最後の夏だったが、公立の強豪・竜ヶ崎一に2対7で敗れ、初戦敗退となってしまった。
高校卒業後は東都大学野球連盟の中央大学、社会人の強豪・東京ガスで腕を磨き、身長169cmと小柄ながら最速153キロを投げる剛腕として注目を集め、2010年ドラフト2位でプロ入り。2017年に自己最多の11勝を挙げるなど、通算で51勝、防御率3.82の成績を残している。
美馬はチーム内の年俸上位4~10位以内のBクラスにあたるとみられるため、FA移籍が実現した際には、獲得した球団側が金銭のみ、もしくは金銭+人的補償を求められることになる。しかし、今季パ・リーグ全体でも6人しか到達していない規定投球回を投げており、先発投手不足の球団にとっては魅力的な存在だ。
アマチュア時代から複数回の手術を経験しながらも、そのたびに復活を遂げてきた右腕の動向に、注目が集まる。
文=林龍也