春夏連覇の島袋洋奨が引退、興南高校左腕の系譜は宮城大弥へ
2010年の夏。全国高校野球選手権大会で春夏連覇を達成した興南高校のエース・島袋洋奨(ソフトバンク)が現役を引退することを自身のSNSに投稿した。
島袋は興南高校を卒業後、中央大学へと進学し2014年ドラフト5位でソフトバンクから指名を受け入団。ルーキーイヤーから一軍では2試合に登板し無失点と上々のプロ野球人生を歩み始めたかに見えた。
しかし、その後は故障もあり成績を残すことができず、2018年からは育成契約となってしまう。育成契約2年目の今シーズンも支配下に復帰することは叶わず、戦力外通告を受けたことで引退を決意したようだ。
輝く母校のタスキは後輩へ
興南高校時代の島袋洋奨
島袋の母校である興南高校は沖縄県の強豪として知られ、多くのプロ野球選手を輩出している学校だ。しかし島袋の引退により、2019年シーズンにNPBにおいて、現役で戦った選手は、大城滉二(オリックス)ただひとりとなってしまった。甲子園春夏連覇を果たした学校のOBがひとりでは少し寂しいものがある。
しかし、話題を再び興南高校に取り戻す可能性のある新星が今回のドラフト会議で指名を受けた。オリックスの宮城大弥である。
宮城は同校のOBでは友利結(デニー友利)以来2人目となるドラフト1位で指名を受けた選手となった。球団はもちろんファンからの期待は大きい。とはいえ、高卒ルーキーということもあり、すぐに一軍で起用されるわけではなく、数年後の戦力となるための育成プランが組まれることだろう。
近年のオリックスは山本由伸や榊原翼と高卒でプロ入りした選手が、2年目、3年目で頭角を現している。宮城もそのルートに乗ることができれば、近い将来にメディアを賑わす存在となるはずだ。
同校で春夏連覇を果たした島袋が引退した年に、同じ左腕が期待の星としてプロ入りを果たしたのもなにかの縁。チームメートである大城とともに興南高校の灯を燃やし続ける。
【興南高校OB・2019年シーズン成績】
大城滉二(オリックス)
91試合/打率.262(302打数79安打)/3本塁打/28打点
島袋洋奨(ソフトバンク)※2019年シーズンで現役引退
(二軍)3試合/1勝0敗/9回/奪三振7/与四球3/防御率6.00
(記事:勝田聡)