【ドラフト総括・広島東洋カープ】将来性抜群の148キロ右腕・鈴木にU-18ベストナインの韮澤を指名
10月17日、2019年プロ野球ドラフト会議が行われ、総勢107名(支配下74名、育成33名)が指名を受けた。そこで、高校野球ドットコムでは各球団のドラフトについて、主に高卒選手にスポットを当て、ドラフト指名を総括したい。今回は広島東洋カープを見ていく。
広島東洋カープ
1位 森下暢仁(明治大)
2位 宇草孔基(法政大学)
3位 鈴木寛人(霞ヶ浦)
4位 韮沢雄也(花咲徳栄)
5位 石原貴規(天理大学)
6位 玉村昇悟(丹生)
育成1位 持丸泰輝(旭川大高)
育成2位 木下元秀(敦賀気比)
育成3位 畝章真(香川オリーブガイナーズ)
高校生最上位で指名したのは霞ヶ浦の最速148キロ右腕・鈴木寛人だ。しなやかなフォームから投げ込む切れ味抜群の速球は高い将来性を感じさせる。一部では外れ1位候補とも目されていた右腕を、この順位で指名できたのはラッキーだった。将来のエース候補として、長期的な視野をもって育成していきたい。
4位の韮沢雄也(花咲徳栄)はU-18にも選出された世代屈指のヒットメーカーだ。コンパクトなスイングからヒットを量産し、守備でも三遊間の深い位置からノーバウント送球で打者をアウトにする。U-18ではなれない一塁手での出場ながらベストナインを受賞した。今年一軍の舞台で活躍を見せた小園海斗と争うことになるが、まずはファームでスタメンをつかみ取り、じっくり力をつけて3年目あたりでのデビューを期待したい。
6位の玉村昇悟(丹生)は、素材型の速球派左腕だ。ゆったりとしたフォームから繰り出す最速147キロの速球は持ち味。全国的には無名の存在だが、知る人ぞ知る好左腕として、福井の地で牙を研いできた。まずはファームで出場機会を掴み、将来的には鈴木との左右の二枚看板となることを期待したい。
育成1位の持丸泰輝(旭川大高)は2年連続夏の甲子園を経験している強打の捕手。リストの効いた打撃で鋭い当たりを放つ。捕手は比較的時間をかけて育成する広島だが、まずは支配下を目指し、光るものをアピールしたい。
育成2位の木下元秀は強豪・敦賀気比の四番・投手を務めたスラッガーだ。プロではその長打力に磨きをかけ、まずはファームでの出場機会を掴みたい。
高卒指名に関しては、広島らしく将来性をにらんだ指名が多かった。即戦力とはいかなくても、広島の厳しい練習を乗り越えれば、数年後に大きく育ちそうなスケール感がある。上位で即戦力の大学生も獲れ、良い指名となった。
記事:林龍也