興南史上最強サウスポー・宮城大弥がオリックスへ 強心臓を武器に今度こそ日本、そして世界の頂へ
会見に登壇した宮城大弥と我喜屋監督
17日、プロ野球ドラフト会議2019が行われ、興南の宮城大弥がオリックスからの1位指名を受けた。緊張する宮城。そして指名されたあとの喜びの声をお届けする。
- 自分よりライバルたちの指名が気になっていた -
TBSをはじめ多くの報道陣が詰めかけた興南高校。U-15に続き、U-18にも選ばれた宮城大弥。上位指名が確実視されるサウスポーに、県内外から多くの注目を集められていた。5時前、3年生が待ち構える中、宮城が登場。でも椅子に座る様子はなく、壁のそばでずっと立ち続ける姿に、緊張感が漂っているのが見て取れる。ほどなくしてご両親とともに座った宮城。
ドラフト会議が始まってもテレビの画面を凝視し、笑顔は殆ど見られない。そんな中、U-18で一緒だった奥川恭伸(星稜)がヤクルトに決まると、後ろに控えていたナインと笑顔で談笑。「自分のことより、佐々木や奥川がどこに決まるのかが気になっていた。」と宮城。同じく、石川昂弥(東邦)が中日に、佐々木朗希(大船渡)が千葉ロッテに決まると「中日か」「ロッテだ」とでも話すかのように、ナインの方へ顔を向けた。一巡して指名が無かったが、再抽選でオリックスが指名するとナインが先に喜びの声をあげる。本当なのかとでも言わんばかりに凝視した宮城が遅れて笑顔になった
- 先輩大城さんとチームを優勝へ -
移動した会見場では我喜屋監督とともに壇上へ上った宮城。「率直に嬉しい。」と、オリックスからの指名受けの感想を述べた。「若い選手が多い。興南高校の先輩大城さんもいる。一緒に一軍で頑張れるようにした。」と抱負を述べた宮城。
佐々木、奥川はトップレベル。そんな彼らに負けないように頑張っていきたい。U-18をともに戦ってきた仲間でありライバルである二人を見据える宮城。派手に、ではなく、愚直に野球に取り組んでいた子と評した我喜屋監督は、「子供たちに夢を与えられる選手になってほしい。」と言葉をかけた。
- 偉大な先輩、島袋洋奨と比較 -
1年の夏から登板し、2年連続で夏の甲子園出場を果たした宮城。同じ興南の先輩である島袋洋奨と比較してみよう。当時1年生の島袋は4試合に登板(投球回数は22回と2/3)。防御率2.67、奪三振率は6.10だった。それに対し宮城の一年夏の成績は圧巻の一言だ。6試合に登板(先発は決勝のみ)した宮城の防御率は0.40(投球回数は島袋とほぼ同じ、22回と1/3)。奪三振率は驚異の13.72。
この数値は、春夏連覇を果たすこととなる島袋絶頂期の3年の夏とほぼ同じ(島袋3年の夏、防御率0.29、奪三振12.77)。1年生の宮城は、初先発が決勝の舞台にも関わらず13奪三振をマークするなど、強心臓ぶりを発揮していた。プロでもそれがいかされるだろう。
- 目標は山本昌 -
「自分は息の長い選手になりたい。目標は山本昌さん。」と宮城。2年秋の九州大会で筑陽学園に敗れたのが。宮城にとって一番印象に残るゲームだった。その悔しさを忘れず、より高みを目指して春の九州大会で見事筑陽学園にリベンジ。夏の選手権では沖縄尚学に敗れたものの、ダルビッシュ有投手や川上憲伸氏が宮城に絶賛の声を上げる中、オリックスから1位指名を受けた。
オリックスのエースへ、そして日本代表として手に入れられなかった世界一を掴むため。宮城はこれからも走り続ける。
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