オコエ瑠偉(楽天)が後輩の国体制覇を刺激とし飛躍の秋へ
10月初旬にノーブルホームスタジアム水戸で開催された「いきいき茨城ゆめ国体」の野球で関東一高(東京都)が初優勝を飾った。春夏の甲子園、明治神宮大会含め、全国大会での優勝経験は今回が初めてのことだった。
後輩の全国制覇に刺激されたのかNPBの世界では、同校OBのオコエ瑠偉(楽天)がクライマックスシリーズ(以下、CS)で躍動している。
パ・リーグのC第1戦、ソフトバンク対楽天の試合でオコエは「9番・中堅」で先発出場を果たす。すると3回、1-3と2点ビハインドの場面でソフトバンクのエース・千賀滉大から右翼スタンドへ滞空時間の長い本塁打を放った。次打席でも安打を放ち2安打マルチと気を吐いている。
黄金ルーキーとして期待されれるも…
高校時代のオコエ瑠偉
オコエは関東一高3年時に夏の甲子園へと出場。圧倒的なスピードを武器にチームを同校史上初のベスト4(春のセンバツは準優勝経験あり)へと導いている。
一躍、全国区となったオコエは甲子園終了後に行われた『WBSC U-18 ワールドカップ』の日本代表にも選ばれた。この大会では打率.364(33打数12安打)を記録し、最優秀守備賞も受賞している。
同年のドラフト会議では楽天から1位指名を受け入団。黄金ルーキーとして大きな期待をかけられた。しかし、1年目から出番を得ることは出来たもののレギュラーを掴むには至らず、すでに4年目が終了している。
今シーズンはキャリアハイとなる52試合に出場したが、打率.182(110打数20安打)と打撃成績は奮わなかった。また、前年のドラフト1位では同じ外野でスピードを武器とする辰己涼介が入団している。オコエにとっては同世代のライバルだ。
また、今秋のドラフト会議では同学年の選手たちが即戦力候補として、加入してくることも十分に考えられる。
来シーズンこそレギュラーをがっちり掴むためにも、CSで結果を残し首脳陣へとアピールを続けたいところ。後輩たちの頑張りを刺激とし、飛躍の秋としたい。
文=勝田聡