ヤクルト館山昌平が引退 日大藤沢高校OBはあと2人
9月13日、館山昌平(ヤクルト)が引退会見を行った。これまでに幾度もの手術を受け、そのたびに蘇ってきた館山。その生き様に魅せられたファンは多い。
なかでも2015年に復帰したあとの快進撃を覚えているファンは多いはず。6月に一軍復帰を果たすと、7月には復帰後初白星をマークする。その後も勝ち星を積み重ね、この年、6勝3敗、防御率2.89の成績で優勝に大きく貢献。みごとカムバック賞も受賞した。
しかし、それ以降は一軍で結果を残すことができず、ここ3年は低調な成績に終わっていた。今シーズンも二軍ではまずまずの投球を見せても、一軍では1試合のみの登板で0勝1敗、防御率6.00と結果を出すにはいたらなかった。
「松坂世代」(1980年4月2日〜1981年4月1日生まれ)、それも神奈川県で横浜高校の松坂大輔(中日)と競った男がついにユニフォームを脱ぐ。
黒羽根利規と金子一輝の奮起に期待
館山昌平(ヤクルト) ※共同通信
館山は日大藤沢高校の出身。同校は激戦区の神奈川県で4度(春3回、夏1回)の甲子園出場を果たしている強豪。今年の夏も神奈川大会で決勝まで進んでいたことは記憶に新しい。
館山自身も3年春の甲子園に出場しベスト4進出を果たしている。準決勝で館山が敗れた関大一高のエースは、現在メキシコでプレーしている久保康友だった。この年の久保は準決勝で館山を下し、決勝で松坂に敗れたのである。
同校のOBに目を向けると、やはり山本昌(元・中日)の存在が光る。在学中に甲子園出場経験はなかったものの、1983年ドラフト5位で中日へ入団。2015年に現役を引退するまで219勝をマークしたレジェンドである。今さらの説明は不要だろう。
野手では落合博満監督時代の中日で活躍した渡邉博幸もOBになる。現役時代に規定打席到達は1度もなかったが、守備の名手として知られ2004年には一塁でゴールデングラブ賞も受賞した。
その他には広島のスカウトとして鈴木誠也の指名に尽力した尾形佳紀も同校OBだ。
また、館山以外では、黒羽根利規(日本ハム)と金子一輝(西武)が今シーズンも現役でプレーしている。しかし両選手とも一軍での確固たる実績はない。
館山が引退することで寂しくなる日大藤沢OB。黒羽根、金子の奮起に期待したい。
文=勝田聡