「ゾーンに入った」と鳥谷敬が語る忘れられない台湾戦!集中力を保つ秘訣を一問一答
守備練習中の鳥谷敬
今季、阪神タイガースの退団が決まっている鳥谷敬は、9月11日の横浜DeNA戦で今シーズン初打点を記録。
プロ野球生活16年。ここまで2158試合出場の鳥谷の魅力といえば、どんな時でも崩れないメンタル、高い集中力にあるといえる。
今回は鳥谷が、集中力を保つための秘訣について答えてくれたインタビューを紹介したい。
スイッチ切り替えを意識
――鳥谷選手の打席、守備でもですが、どうやったらあそこまで集中力を高められるんでしょうか。
鳥谷 敬選手 ネクストにいるときまでに全部自分や試合の状況を把握して、迷いなく打席に立つということをしているので、ピッチャーだけを見て打席に集中することが出来ます。
守備は、ダラッと行ってしまうと集中できなかったので、なるべく守備位置まで速く行って、終わったら速く帰ってくるっていうことを心がけています。
守備位置までゆっくり行ってそのままダラッとしてしまって、打球が飛んできてそのままダラッとエラーしてしまう、ということが結構あったので、そこはもうスイッチを切り替えるというか。自分で、今守備ですよ、守備終わりましたよ、というのを意識づけることが必要だと思います。
――瞬間、瞬間で集中できるために、日ごろから気を付けていることってありますか?大事なところですぐに集中できるようにするためにはどうしたらいいんでしょうか。
鳥谷 そのあたりの細かいことは練習の時は気にしていないですね。練習の時は守備では色んなプレーや他の細かいところを考えたりしながらやりますし、盗塁に関してはとにかく走る、という感じですし、バッティングに関してはその日の感覚を確かめるというところくらいです。自然に試合に入っていったら、自分の集中の仕方が出来ている。集中の仕方というより、そういう風にやっていると、勝手に集中できるようになってくる。
――今までで一番自分が「(集中力のゾーンに)入ったな」という感覚を持った大会や試合ってありますか?
鳥谷 やっぱり2013年のWBC(台湾戦、9回での)盗塁の時は、牽制と、カウントと、バッター、と条件が揃うのを待って、バシッと条件が揃って…。今になって冷静に『同じ条件が揃ってスタートを切れるか?』と考えると絶対に切れないです(笑)。あの場面で全部が入ってきて条件を揃えて迷いなく行けたので、その時が一番自分の感覚と色んなものが合ったのかなと思います。
WBCの盗塁について鳥谷は走れる確信があったという。
「あの場面は、相手の台湾の抑えピッチャーが、牽制は1回しかなくて、しかもクイックが早くないというのが最初の段階でわかっていたので、そのクイックを待っていました。走りやすい条件を自分で作って行くんです。何もない状態で行くのはすごく勇気が要るので、走るための条件を自分で一つか二つ作っておく。それをクリアしたときに行こうと考えていました」と大会後に語ってくれた。
シーズン終了後は他球団へ移籍し、現役続行を目指す鳥谷。これまで鳥谷が歩んできた16年間の経験や理論は若手選手にとって大きく参考になるものばかりだ。この一打をきっかけに再び輝きを取り戻してほしい。
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