プロ初長打!巨人の若きスラッガー・山下航汰が順調にステップアップできるワケ
高校時代の山下航汰 写真:共同通信
9月11日、巨人の期待の高卒1年目・山下航汰(健大高崎)が、横浜DeNA戦で初長打を放った。
健大高崎時代は高校通算75本塁打を誇るスラッガーとして注目を浴びた山下。ここまで二軍成績は81試合に出場し、5本塁打、33打点、打率.349をマークし、打率はイースタンリーグのトップに躍り出ていた。このまま二軍に居続ければ、規定打席に到達し、高卒新人でいきなり首位打者を狙える成績だったが、8月29日に一軍出場。
そして、9月4日に初安打を放つと、11日には初長打を記録。順調に結果を残している。
山下は、育成枠入団から7月に支配下登録となったが、高卒新人とは思えない打撃センスをみせている。これまでの歩みを振り返ると、山下の努力家の一面が、その急成長ぶりを支えている。
ダルビッシュ有などを輩出した羽曳野ボーイズ出身の山下は、中学2年時は冬休みに毎日1000本の素振りを行ってきたというが、従来、羽曳野ボーイズは「トップを大きく取ってフルスイングを行う」という指導方針がある。
その方針と、日々の振り込みの成果が実り、中学3年時は一年間で20本塁打を放ち、スラッガーとしての才能を開花。その年は、ジャイアンツカップ優勝も経験する。
自信をもって健大高崎に入学したが、高校1年時は、高校のレベルの高さに苦しみ、1本塁打しか打てなかった。そこで1年冬に、ドアスイングだったスイング軌道を改善。2年春の選抜では2本の満塁本塁打。さらに、夏の群馬大会では5本塁打を放つなど、この年は合計47本の本塁打を放つ。
高校2年冬、インコース打ちが課題だった山下は当時、在籍していた葛原美峰コーチとマンツーマン指導の下、インコースを本塁打にするなど、高校通算75本塁打に達した。夏が終わっても、山下は葛原コーチから木製バットの対応の仕方を学びながら、練習を積み、プロ入りへ向けて、準備をしてきた。
プロ入りしてからも、横浜、巨人の主砲として通算360本塁打を放った村田修一二軍打撃コーチに、積極的に質問しながら、バッティング技術を磨いてきた。
優勝争いを続ける巨人だが、この緊迫とした雰囲気の中、試合に出場し続けることは山下の成長の糧になるだろう。期待のルーキー・山下のバッティングに注目だ。
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