花巻東OB・菊池雄星が駆け抜けた、エースの責任を背負った最後の夏
花巻東時代の菊池雄星
大谷翔平や佐々木朗希。ここ最近、本格派投手を多く輩出する岩手県勢。その筆頭にいるのが花巻東の菊池雄星である。
菊池の高校野球生活は常に注目されていた。2007年に花巻東へ入学すると、その時の甲子園の新潟明訓戦で1年生ながら登板して145キロをマーク。一躍脚光を浴びると、最速149キロ左腕として3年春のセンバツに乗り込むと、初戦の鵡川戦で152キロを計測するなど準優勝に導く活躍。まさに世代ナンバーワンの左腕であった。
注目選手の1人として迎えた2009年の夏。大会屈指の好投手に、全国のライバルが”打倒・菊池”を掲げる中、154キロをマークするなど順調にベスト8へ。準々決勝では今宮健太(現ソフトバンクホークス)擁する明豊と対戦。序盤に4点のリードを奪うも、肋骨と背中の怪我で5回途中で降板。チームも8回に逆転を許し窮地に立たされるも、9回に追いつき、延長10回に勝ち越し。結果7対6で辛勝し名勝負を繰り広げた。
しかし準決勝中京大中京戦では、明豊戦で痛めた怪我の影響で、先発を回避してベンチから戦況を見届ける。それでも4回途中から3番手として痛みをおして登板するも、打者4人に11球と1回持たずに降板した。チームも中京大中京のエース・堂林翔太から1点しか奪えず1対11で破れ、最後の夏は終わった。大会終了後の精密検査で肋骨骨折が判明したが、エースとして最後まで投げ抜こうとした姿を思い出す人もいるだろう。
その秋のドラフトで6球団競合の末、指名権を勝ち取った埼玉西武ライオンズに入団。期待の左腕は思うような結果を残せず苦労の日々を過ごしたが、2011年に1軍デビューを果たし、初勝利も記録。2018年まで西武のエースとして活躍し、チームの10年ぶりのリーグ優勝に貢献。2019年から、シアトル・マリナーズに入団し、夢の舞台であるメジャーリーグのマウンドに立つ。2019年6月9日(日本時間)、後輩である大谷翔平とメジャーの舞台での初対戦は、また一つ日本の野球ファンを魅了してくれた。これからも菊池の挑戦に注目したい。
文・編集部
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