「日本一の日誌」を書き続けた都立小山台・大崎マネージャーのノート

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   
2019.08.14

 今夏、2年連続で東東京大会準優勝となった都立小山台
甲子園まであと一歩、届かなかったが、私立強豪校と比べても制限のある練習環境の中で、毎年、ここまで勝ち進むことができる都立小山台から、学ぶべき点は多い。
都立小山台は定時制があることから、放課後は17時に完全下校。練習時間は僅か90分と短い。また、学校の校庭も4つの班活動で分割しているため、部員80名超えの大所帯ながら、狭い環境の中で練習に打ち込んでいる。
 そんな彼らは、グラウンドの中での練習だけを「練習」と捉えず、普段の授業、帰宅後の時間の使い方。その全てを「練習」だと考えている。都立小山台の選手個々の「集中力」の持続性は全国トップクラスといえるだろう。

 都立小山台が「練習」の一つとして取り組んでいるのが、“野球日誌”だ。
 1日1ページ。30分~1時間かけて、毎日の振り返り、そしてチーム内で気付いたことを書いていく。
 都立小山台ナインが目指している野球日誌は、「日本一の野球日誌」。日本一の定義は、選手個人ごとに様々であるが、ページを開けば、本気で「日本一の野球日誌」を目指していることがわかる。

 この夏、選手たちを野球日誌で支えてきたのが、マネージャーの大崎寿音さんだ。
「先輩たちの日誌を超えるような日誌を書けるようにならないと、その背中は見えてこない」と話す大崎さんの日誌には、選手達への叱咤激励の言葉が並ぶ。

「絶対に忘れちゃいけない。自分たちは“史上最弱”だ。弱いんだ。第一シードだけど、強豪でも王者でもない。
挑戦者だ。だから、もっと泥臭く、必死に、喰らいついていかないといけない」

 これは、春先の練習試合後に書いたノートの言葉だ。大崎さんの日誌は、チームを支え続けてきた。
 都立小山台には、日誌交換制度があり、希望する部員と日誌交換ができるのだが、大崎さんはこれまで多くの部員たちから、日誌交換をお願いされてきた。前キャプテンの池本仁志君も、チームが中々試合に勝てず、悩んでいる時期に、大崎さんに日誌交換をお願いし、その言葉に勇気づけられてきた一人だ。

 都立小山台を14年間率いてきた福嶋正信監督は、こう語る。
「良い日誌というのは、書くことで自分を成長させてくれるだけでなく、仲間も成長させることができるんです。グラウンドでの練習時間が短くても、日誌を書く時間も、都立小山台では練習の一部として考えているので、選手たち自身が自ら日誌を書く意味を考えながら、毎日取り組んでくれています」

 日本一、本気で野球日誌に取り組むことで、個人の心の成長に加え、チームをも成長させることができる。たとえ、グラウンドでの練習時間が僅か90分であっても、練習環境が整っていなくても、甲子園に近付くことができるのだ。

「日本一の野球日誌」は、いつの日か、都立小山台を夏の甲子園出場へと導いてくれることだろう。

 

 ▼▼▼

 そんな小山台の大崎マネージャーのノートが読める!累計20万部突破した「野球ノートに書いた甲子園」シリーズの第6弾!
 本書には、都立小山台の他、第101回全国高等学校野球選手権にも出場した山梨学院と、筑陽学園。さらに、盛岡大附龍谷大平安の選手たちが書いている野球ノートも紹介します。

 チームを引っ張るキャプテンの苦悩、選手を鼓舞する監督の親心、勝利を願うマネージャーの願い...。
野球ノートに綴られた言葉には、そんな汗と涙のドラマが詰まっています。

書籍タイトル:『野球ノートに書いた甲子園6
著者名:高校野球ドットコム編集部
定価:1,100円+税
出版社:KKベストセラーズ

★購入はこちら:Amazon.co.jp

【関連記事】
都立の躍進に好投手の出現!サプライズも多かった東東京大会を総括! 【ニュース - コラム】
第948回 【東東京大会総括】役者の揃っていた関東一が3年ぶりの甲子園へ!都立校や好投手の出現も際立った【大会展望・総括コラム】
宇和島東が9年ぶり9度目の優勝!センバツ出場 松山聖陵を破る!【愛媛大会】 【ニュース - 高校野球関連】
関東一vs都立小山台【東京都 2019年夏の大会 第101回選手権東東京大会】
上野学園vs都立小山台【東京都 2019年夏の大会 第101回選手権東東京大会】
第936回 【西東京大会・準決勝展望】東海大菅生vs国学院久我山、桜美林vs創価 ファイナルへ進むのは?【大会展望・総括コラム】
第936回 【東東京大会・準決勝展望】都立小山台vs上野学園、日大豊山vs関東一 ファイナルへ進むのは?【大会展望・総括コラム】
都立高島vs都立小山台【東京都 2019年夏の大会 第101回選手権東東京大会】
都立小山台vs安田学園【東京都 2019年夏の大会 第101回選手権東東京大会】
足立学園vs都立深川【東京都 2019年夏の大会 第101回選手権東東京大会】
第108回 同じ目標に向かって歩む仲間でありたい!都立小山台(東京都)の頑張るマネージャー!【頑張る!マネージャー】
第935回 【東東京大会展望】二松学舎大附の夏三連覇を阻むチームは現るか?東東京大会を徹底解剖!【大会展望・総括コラム】
第951回 都立唯一のベスト4・小山台に現れた強打の核弾頭・池本仁志が追求する「一番像」とは 【2019年インタビュー】
第729回 2018年の都立の星 吉岡桃汰(東大和南)「神宮球場のマウンドで投げたい!」【後編】 【2018年インタビュー】
第722回 2018年の都立の星・吉岡桃汰(東大和南)「ドクターKの始まり」【前編】 【2018年インタビュー】
第681回 戸谷 直大 (都立小山台)打倒・私学に燃える文武両道のエース 【2018年インタビュー】
第8回 第96回選手権地区大会は「波乱の大会」だったのか 【2014年選手権大会】
都立小山台 【高校別データ】

コメントを投稿する

前の記事:
今宮は甲子園で感動的154キロ!高橋礼は自らの押し出しで涙 ソフトバンク主力選手の高校最後の夏を振り返る
次の記事:
習志野の撃破は必然だった?!個性派揃いの鶴岡東を徹底解析
最新ニューストップに戻る サイトトップに戻る