現役では福井優也と安楽智大ふたりだけ、済美高校OBが楽天を救う!
プロ野球が開幕してから3週間ほどが過ぎた。セ・リーグは広島、パ・リーグは西武と昨シーズンの覇者が揃って出遅れている。また日本一に輝いたソフトバンク柳田悠岐や中村晃といった主力選手たちが離脱しており、順風満帆に戦っているわけではない。
そんななか、昨シーズンパ・リーグの最下位に沈んだ楽天が好調だ。4月22日の時点で首位に立っている。それも則本昂大、岸孝之といた球界を代表する投手ふたりが故障離脱しているにもかかわらずである。
チーム全員が一丸となってこの危機を乗り越えようと戦っているわけだが、特に目立つふたりの投手がいる。福井優也と安樂智大である。
そろってローテーション入り
高校時代の安樂智大
広島からのトレードで楽天に加わった福井は済美高校から一浪の末、早稲田大学へ入学。斎藤佑樹(日本ハム)や大石達也(西武)らど同学年になり、2010年ドラフト1位で広島へ入団する。ルーキーイヤーから8勝(10敗)を挙げ期待されたものの、2015年に9勝(6敗)したのをのぞき、低迷していた。昨シーズンも3試合の先発で3敗を喫し、防御率8.40と苦しんだ。
そんな福井だが今シーズンは3試合に先発し2勝0敗、防御率2.81。先発ローテーションを守り、エース格ふたりの不在をしっかりと支えている。開幕前に平石洋介監督は「福井がキーマン」とも語っており、まだまだ序盤戦とは言え現実のものとなりそうだ。
そして安樂は岸の代わりに先発を任されると、2試合連続で好投。白星こそついていないが、ローテーション入りを確かなものとしている。球数問題もあり、高校時代から注目されてきた安樂もこれまではプロで実績を残すことはできていない。5年目となる今シーズン、飛躍を遂げたいところ。
福井と安樂はともに愛媛県の済美高校出身。学年は違い、高校時代をともに過ごしたこともない。しかし、卒業から数年の時を経て同じチームで先発投手として奮闘している。昨シーズン限りで鵜久森淳志が現役を引退。済美高校OBの現役プロ野球選手は、このふたりだけとなってしまった。
母校の後輩たちへ頑張っている姿を杜の都から届けて行くことに期待がかかる。
※数字は2019年4月22日終了時点
文=勝田聡