選抜制覇した東邦高校OBのプロ野球選手には誰がいる?
第91回選抜高校野球大会(以下、春の選抜)は東邦高校(愛知県)が史上最多となる5度目の優勝を飾った。平成元年の大会でも東邦高校は優勝しており、平成最初と最後の優勝校となったことでも話題を呼んでいる。
東邦高校エース・石川昂弥
なかでも、エースの石川昂弥は決勝戦で完封勝利に2本塁打を放つ大活躍。まさに二刀流でその名を全国へと轟かせた。その石川は新3年生となり、今年のドラフト候補でもある。プロ志望届を提出すれば、ドラフト1位を含め上位指名が予想されている逸材。ここからのさらなる成長に期待がかかっている。
OBには山田喜久夫に山倉和博
東邦高校出身の藤嶋健人
さて、東邦高校からプロ入りした石川の先輩にはどのような選手がいるのだろうか。少し振り返ってみたい。
東邦高校のエースは中日、広島で活躍した山田喜久夫。現役引退後はわらび餅屋を営んでおり人気を博している。
現役選手では藤嶋健人、丸山泰資、石田健人マルク(育成)の中日勢が3人。そして関根大気(DeNA)の合計4人。現時点で一軍での実績が豊富な選手は不在と少し寂しい。若手注目株として話題を集めていた藤嶋は血行障害で離脱しており、復帰時期は未定となっている。
OBに目を移すとやはり地元の中日勢が目立つ。通算65勝をマークした朝倉健太や通算222試合に登板した山田喜久夫もそうだ。山田喜は平成元年の春の選抜における優勝メンバーだったということもあり、今大会でも名前が取り上げられていた。
一方、野手では巨人のレギュラーとして長く活躍した山倉和博や阪神の山田勝彦といった捕手勢の名前が挙がる。しかし、この他には目立った実績のある選手はいない。
愛知県で東邦高校とともに「私学4強」として名を馳せている中京大中京高校、愛工大名電高校、享栄高校のOBと比べると少し物足りなさが目立つ。中京大中京高校は稲葉篤紀(侍ジャパン監督)、愛工大名電高校はイチロー(元マリナーズ)とOBにレジェンドが名を連ねる。享栄高校は前身の享栄商業高校時代に金田正一(元巨人)が籍を置いていたことでも知られている(中退しプロ入り)。現役では大島洋平(中日)が主力として活躍中。
現時点の藤嶋や丸山らにレジェンド級の活躍を求めるのは少し酷だろう。しかし、両選手ともまだ若い。まずはチームの中心選手となって、一歩ずつ階段を登っていくことに期待がかかる。
文=勝田聡