まるで授業!西谷浩一監督、渡辺元智氏が「日本代表に求められるもの」を熱く講義!
左から奥川恭伸、佐々木朗希、石川昂矢、西純矢、及川雅貴
4月5日、日本高野連が高校日本代表一次候補の研修合宿を開催。昨年のアジア大会で3位に終わり、永田監督の強い要望によりプロジェクトチームを発足。技術振興委員会などの話し合いにより、4月開催が決まった。
今回は春季大会出場中の6名と骨折をした来田涼斗(明石商)以外の30名が参加した。30名は自己挨拶を終えて、座学に入った。座学では大阪桐蔭の西谷浩一監督、横浜で監督を務めた渡辺元智氏の2人が
「日本代表に求められるもの」をテーマに講義した。
その内容は授業を受けているようだった。まず西谷監督は石川昂弥(東邦)に対し、
「石川くん、疲れはない?」と聞くと、
「疲れはないです。」と答える石川。
西谷監督は、「そういいますが、疲れは残ります。特に夏は絶対に肉体的にも、精神的にも疲れます。そこから僅か一週間で世界大会に気持ちを持っていかないといけないんです」と調整の難しさを説く。
さらに西谷監督は、石川と黒川史陽(智弁和歌山)に「夏の目標は?」と聞く、石川は「夏の全国制覇です」と答え、黒川は「五季連続甲子園に出場して、甲子園優勝です」と答える。西谷監督は「日本一を掲げる。非常に立派な目標です。でも頭の片隅に世界一になることを胸に刻んで、練習をしてもらえばと思います」と世界で戦うことを想定して、練習に取り組む、気持ちを持っていく重要性を説いた。
西谷浩一監督(大阪桐蔭)
西谷監督は二度の世界大会の指揮を執り、短期間でチーム作りをする難しさを実感。意図的にコミュニケーションを取ることを選手たちに説いた。また繰り返し話していたのは、「ピーキング」「環境に慣れるか」。夏の大会を終えて、気持ちの持っていき方は難しいと再三話す西谷監督。ライバルとして戦ったアメリカ代表のピークの持っていき方を絶賛しながら、ピーキングの重要性を主張した。その講義の合間に東妻純平(智辯和歌山)に木製バットの対応で大事なことは?と聞いたり、選手たちに質問していきながら、テーマの核心に迫る内容はまるで授業だった。
選手たちに語る元横浜高校監督・渡辺元智氏
続いて第二部の渡辺先生の内容は熱血教師そのものだ。渡辺氏は
何度も目標を強く持つ重要性を説き、そこで繰り返し主張していたのが、渡辺氏の座右の銘である「目標がその日その日を支配する」。何事も強く目標を持つ、世界で戦うことを想定して、練習を重ねることが大事だと説いた。また、甲子園準決勝の習志野vs明豊の試合で、
ダブルスチールがあった。このプレーを見たかについて挙手を求めたところ、誰もいなかった。そこで渡辺氏は「野球の試合を見てみよう。そうすると立体的に野球を見られるから。ぜひ試合を見て、勉強しよう」と試合を見て学ぶ重要性を説いた。
西谷監督も、渡辺氏も「この場に参加できているのはとても幸せなこと」と話したが、それは激しく同意する。こんな話を聞けるのはとても貴重。ぜひ30人にはチームに持ち帰って還元してほしい。
また、2人の話を聞いて、参加した30人はどう取り組みが変化しているのか、夏まで注視をしていきたい。