News

野球のルールを整備するのは「選手」ではなく「大人」!

2019.02.24

野球のルールを整備するのは「選手」ではなく「大人」! | 高校野球ドットコム

 「投球数制限」、「投球回数の制限」、いや「7イニング制を実施すべき?」などなど。

 今、話題となっている高校野球のルールに関するニュースで必ず出てくるのは、「選手(高校球児)の意見も聞くべき」という声です。

 しかし、高校野球のルールではなく、野球のルール(公認野球規則)そのものを変えるとき、いちいち高校球児の意見を聞いてやっているでしょうか。MLBやNPBは選手会への提案を行ってルール変更に至ることもありますが、例えば大人の野球でもある社会人野球でもルールを変更する時に選手の声まで聞くことはないでしょう。

 実際に毎年、野球のルールは少しずつ変わってきています。ある高校野球の関係者に、「野球ほど毎年毎年ルール改正するスポーツって他にありますかね」と聞かれたことがあります。公認野球規則のはしがき(2017年版)にも、「毎年プロとアマが懸案事項を話し合ってきた、しかし、これで完璧!という規則書はつくられていない。それが野球というスポーツの奥深いところなのだろう」と書かれていました。

 野球のルールを整備するのは、整備する側の人間の役割です。高校球児の立場から見れば、大人がルールを整備するということになります。それがルール整備のためのルールです。

 少し過剰な表現かもしれませんが、今年1月下旬にU-18ワールドカップが再来年から〝7イニング制になる〟というニュースが出た時、「選手の意見も聞いて決めたのか」と声を挙げた人がいたでしょうか・・・

 日本の高校野球だけ新たなルールを作るか否かの時だけ、そういった声が出るのは、それだけ日本の皆さんの心に高校野球が文化として染みついているからとも言えるかもしれません。

 ただ、タイブレークの時と同様、今回も高校球児の声を聞くという可能性があることも忘れてはなりません。「投手の障害予防に関する有識者会議」で話し合われるので、まだどうなるかはわかりませんが、日本高等学校野球連盟(日本高野連)の竹中雅彦事務局長は加盟校へのアンケートを実施する可能性があることを話しています。

 アンケートを受け取って回答する責任者は加盟校の責任教師(部長)になり、各加盟校として1つずつの意見しか出せませんが、考え方によってはここで球児がまとめて学校としての意見を出すことも可能ではあるのです。チームによっては責任教師と監督など大人だけで一つの意見を出すかもしれません。もし、選手の意見を発信したいと思っている球児がいるのなら、責任教師に申し出ることも一案です。加盟校の責任教師を通して、要望を伝えてもらう。球児が日本高野連に声を届けるのはそれしか方法はありません。

 4月からの2019年度は大きな1年になるでしょう。今のうちに各加盟校の球児はミーティングで話し合って部としての考えをまとめて、いざという時に責任教師に伝える準備をすることも一案だと思います。それと同時に責任教師の先生も生徒が申し出てきた時は、大人だけで決めないように心がけておいていただきたいと思います。

 もちろん、公立高校は4月に人事異動があるので、今の立場のままという方ばかりではないと思いますが・・・

(文=松倉雄太

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】

2024.04.24

【福島】田村、日大東北、只見、福島が初戦を突破<春季県大会支部予選>

2024.04.24

東京国際大の新入生は、リーグ戦デビューの二松学舎大附の右腕、甲子園4強・神村学園捕手、仙台育英スラッガーら俊英ぞろい!

2024.04.24

【佐賀】敬徳と有田工がNHK杯出場を決める<春季地区大会>

2024.04.24

【春季四国大会逸材紹介・香川編】高松商に「シン・浅野翔吾」が!尽誠学園は技巧派2年生右腕がチームの命運握る

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.23

【春季埼玉県大会】地区大会屈指の好カードは川口市立が浦和実を8回逆転で下し県大会へ!

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】

2024.04.21

【神奈川春季大会】慶応義塾が快勝でベスト8入り! 敗れた川崎総合科学も創部初シード権獲得で実りのある春に

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!