東邦のトランぺッター・角田さんが成り立つまで。知られざる自主練習
角田ひかるさん
選抜出場を決めた東邦の応援で印象的なのは女子マネージャーがトランペットで応援すること。今ではすっかりお馴染みになった応援だが、果たしてこの応援はどうやって成り立っているものなのか。
今年、トランぺッターを務めるのが角田ひかるさん。中学時代、吹奏楽部だった経験もあり、新チームが始まってからトランぺッターを引き継ぐこととなった。しかしブランクもある角田さん。
「ほぼゼロからのスタートでした」と振り返る角田さん。なんと帰宅後に2時間の自主練習をしたという。
「前のマネージャーは練習が終わった後にグラウンドで練習をしていたんですけど、私の自宅はグラウンドからだと遠方なので、遅くまでグラウンドで練習をしていると帰れないので、自宅に帰って練習することになりました」
トランペットで演奏する角田さん(写真:東邦高校提供)
自宅に戻って練習を始めるのが21時過ぎ。そして近所迷惑にならないよう、自宅近くの空き地で家族が付き添って2時間の練習を重ねたという。日ごろ、マネージャーの業務をこなす中で、それでも夜遅くまで演奏の練習をするのは、公式戦でトランペットを吹いて、みんなと一緒に応援したい思いからだった。県大会、東海大会。そして神宮大会でもトランペットを演奏した角田さん。
「とても楽しかったです」と笑顔を振り返る。
ちなみに彼女は周囲に自主練習をしたということは誰にも告げていない。角田さんの取材後、選手たちにこのエピソードを話すと一様に驚き、そして感謝の思いを語った。
「すごいなと思いますし、励みになります」(投手・植田結喜)
「僕も今まで知らなかったんですけど、すごいなと」(主将・石川昂弥)
「応援にトランペットがあって心強いというのがあるので、すごい感謝ですね」(一塁手・松井涼太)
「まだ地方大会では吹奏楽部の応援が無いので、トランペットを聞くだけでも自分たちの力になります。努力しているということを表に出さないところはアイツらしいなと思いました」(遊撃手・熊田任洋)
選手の驚きと同じく、こんな努力があったのかと思うと、スタンドで応援するマネージャーの見方も変わってくる。
今年の東邦は選手、支える人々を含めて見逃せないチームであることは断言したい。
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