22年ぶり出場の春日部共栄に訪問!昨夏初戦敗退から始まったチーム改革
村田賢一(春日部共栄)
22年ぶり出場の春日部共栄に訪問!昨夏初戦敗退から始まったチーム改革
22年ぶり3回目の選抜出場を決めた春日部共栄。悲願の檜舞台へ向けて、選手たちは高い意欲で練習に取り組んでいた。
今でこそ充実感をみなぎらせながら練習している春日部共栄ナインだが、昨秋のスタートの状況について選手、指導者は口を揃えてこう話す。
「まさかここまで勝ち上がるとは思わなかった」
昨夏はオール3年生で臨んだが、初戦敗退。昨年は秋から夏まで県大会で1勝のみという危機的な状況。そこで指導者陣が選手たちに提示したスローガンが「強い共栄を取り戻す」。
このスローガンの元、指導者は選手に寄り添う対話重視に切り替え、選手たちも自分の意見を発し、また激戦区の埼玉を勝ち抜くためには強打のチームに転換しないといけないと感じた春日部共栄は振り込みの数を増やすアプローチだけではなく、打てないことを引きずることではなく、打つ球は打つ、打てない球は打てないと割り切るようになった。さらに栄養指導を受けるなど、土台強化に励み、その結果、秋季埼玉県大会は持ち味の強打を発揮して、優勝した。
そして関東大会では準々決勝で横浜と対戦。最速153キロ左腕・及川雅貴に備え、左投手を2メートル手前から投げさせるなどの対策をとったが、それでも「全然ボールが見えなかった、離れた瞬間、ミットに入っていた」と及川の速さに多くの選手が驚くも、及川の制球難をついて満塁のチャンスを作り、6番平岡大典はフルカウントに置い込まれた後、「ストレートだけ打つ。スライダーが来たらごめんなさい」と割り切って、見事に直球を捉え、走者一掃の適時二塁打を放ち、3点を先制。その勢いに乗り、横浜にコールド勝ち。その後も勝ち進み、関東大会準優勝を収めた。
チームをずっと見てきた植竹 幸一部長は「子供たちの成長は本当にすごいものだな」と感心の様子だった。
チームは12月に高知県の黒潮町でキャンプを行った。温暖な気候で実戦練習をこなしながら砂浜で走るなど走り込み重視のトレーニングを送り、心身を鍛えてきた。
選抜出場が決まり、植竹部長は「出場が決まり、選手の自覚も高まり、取り組み方も変わってきました」と選手の成長ぶりに目を細める。主将の石崎聖太郎は「出場が決まり、モチベーションも高まり、目的意識をもって練習に取り組んでいます」と今は巨人に移籍した丸佳浩の打撃フォームを模倣してレベルアップを測り、隙の無い打者を目指している。エースの村田賢一はストレートの球質アップをテーマに、取材日で、捕手を座らせて80球近く投げ込んだ。仕上がりについて「だんだん調子は上がってきました」と手ごたえを感じている。
強い共栄を取り戻すために始まった今年の春日部共栄。選手たちの高い自覚、そして強い自信により、着実に理想像に近づこうとしている。
春日部共栄の野球部訪問、村田投手、石崎捕手、期待の1年生・平尾選手の独占インタビュー、そして頑張る!マネージャーを後日配信予定!お楽しみに!