森木大智、笹倉世凪、伊藤樹の中学軟式トップ3は高校でも投手として頂点に立つことができるか?
森木大智、笹倉世凪、伊藤樹の中学軟式トップ3は高校でも投手として頂点に立つことができるか?
2018年からの世代ナンバーワン投手は軟式出身が手中しつつにある。金足農の吉田輝星(北海道日本ハム)が天王中出身ならば、星稜の奥川恭伸は宇ノ気中出身と、軟式でプレーしていた。そして2019年4月に入学を迎える中学3年生は知名度・実力的にも中学軟式のトップ3が世代を牽引することになるだろう。
1人目が森木大智。高知中のエースとして、史上3校目の春夏連覇達成。さらに第56回四国中学校総合体育大会軟式野球競技の決勝戦では最速150キロをマークした。森木は投球の動画を見てもわかるように体重移動の横移動の上手さと上半身の旋回速度が中学生離れしているのだ。それは森木がより速いストレートを投げるためにトレーニングと投球フォームを追求しているのがインタビューからも見て取れるように、いろいろな高校生や中学生を取材しても別格の逸材だといえる。本人が高校で目指すのは「165キロ」と「高校通算50本塁打」。ぜひスケールが大きい選手を目指してほしい。
そして森木と投げ合ったのは秀光中等教育の笹倉世凪、伊藤樹である。左腕の笹倉は147キロを誇り、右腕の伊藤は144キロを誇る。2人を見ていて思うのは森木同様、中学生離れした上半身の回旋速度の高さが光る投球フォームだ。これまで中学生の投球を見ていてもフォームはしなやかに見えても、踏み出し脚が割れてしまったり、上半身の回転がいまいち速くない。14歳~15歳ならばそれも当たり前の話なのだが、笹倉と伊藤はそれが見えない。
笹倉はインタビューで下半身の体重移動を意識し、体のブレがなくなったと答えてくれたように全身が連動した投球フォームとなった。体を沈め、テークバックを取ってトップに入ってからリリースに入るまでの回旋が非常に速く、鋭い腕の振りを生んでいる。ボールの速さだけではなく、ピッチングフォーム見れば掛け値なしの逸材であることが分かる。
最後に紹介する伊藤も笹倉同様、一連のフォームが連動しているのが強み。まず左足を上げてから軸足がぶれずに真っすぐ立つことができていること。そしてテークバックを取ったとき、本人が意識するように左腕のグラブを斜めに伸ばして開きを抑えようとしている。トップに入ったとき、胸郭を上手く使い、トップに入ったとき、しっかりと胸に張れること。打者よりでリリースができていて、最後のフィニッシュでも軸足が強く蹴り上げて、左足に全体重が乗って終えていることが分かる。
中学生で速い投手はどこか粗削りなところがあるのだが、彼らは全く粗削りなところが見えない。それでいてまだ体つきを見るとパンプアップできるところがあり、さらに球速が高まる予感をさせる。
さて3人は高校に進んでもトップレベルでいられるか。過去のスーパー1年生と呼ばれた投手と比較しても、体幹の強さ、柔軟性があり、さらに無理のない体の使い方をしているので、活躍する可能性は十分に高いだろう。