四国大会準V!好投手輩出・松山聖陵(愛媛)の練習に潜入 !
松山聖陵の選手たち
「4ビート→3ビート→2ビート」で作る基本投球フォーム
練習冒頭のランニングでは一糸乱れず隊列を組んで走り抜き、消極的なミスや弛緩した動作が生じると、即座に沖縄尚学1999年センバツ初Vメンバーの荷川取 秀明監督をはじめ、中本 恭平コーチ、木田 侑斗コーチからの指摘が入る。そして取材日の1月9日は「寮内のスリッパがそろえられていなかった」ことから、「彼らは可能性を持っているけど、だからこそ今の時期は心の部分を鍛えないといけない」(荷川取監督)1年生は全体練習時間中を通じ連帯責任で草抜き。県都・松山市中心部と郊外の港町・三津浜・郡中地区をつなぐ久万ノ台の丘にある松山聖陵グラウンドには「えひめの野球」が明治・大正・昭和・平成の4元号を通じ常に伝統文化たりえた「全員で心をつなぐ精神」が息づいている。
しかし、2016年夏、2018年春に続き、前年秋の四国大会準優勝で2019年も2年連続のセンバツ出場を濃厚としている松山聖陵の強さは、メンタル面だけではない。アップでは四足歩行でのクリーチャートレーニングを導入し、シートノックではミスからのリカバーを意識した「捕球後こぼしてから拾い上げて送球する」内野ノックにも着手。フリーバッティングでは手投げスローボールとスライダーマシンを打ち込み、上下左右の見極め・対応を鍛える。加えてウエイトトレーニングにも積極的。テクニカル・フィジカル面でのカバーリングにも余念はない。
そして、彼らにとって最大の強みは投手力である。2016年夏に松山聖陵を初甲子園に導いたのは昨年、高卒2年目にして広島東洋カープで53試合に登板し6勝2敗5ホールドをマークしたアドゥワ誠。昨年センバツエースナンバーの土居 豪人は今年、千葉ロッテマリーンズでプロの歩みを進める。今年も亜細亜大を経てトヨタ自動車2年目を迎える嘉陽 宗一郎(2013年度卒)がドラフト候補として名が上がる存在だ。
ではなぜ、松山聖陵はこのように好投手を次々と輩出できるのだろうか?そのベースには部内では「基本」と称される4つの形、それを3つ、2つにつなげていく投球原則がある。今回は荷川取監督と188センチ右腕・根本 大蓮キャプテン(2年)の協力を得て、「4ビート→3ビート→2ビート」で作る基本投球フォームを解説してもらった……。
松山聖陵のさらに詳しい話は近日公開の「野球部訪問」で紹介していきます。お楽しみに!
(記事=寺下 友徳)