過去最高の収入を見せた高校野球!観戦者を増やし収入を増やすことが、次の100年へ繋がる!
今夏の第100回全国高等学校野球選手権記念大会の収支決算が承認され、日本高等学校野球連盟(日本高野連)、朝日新聞社、毎日新聞社の高校野球主催3者は昨日記者会見で、剰余金の中から1億5000万円を「高校野球200年構想」の事業に充てることが発表されました。
収支決算の詳しい内訳は今日(4日)の朝日新聞朝刊に掲載されていますが、入場料収入は過去最高の7億8236万4046円です。安全対策を目的に実施した外野席有料化や入場料金改定、そして、史上最多の101万5000人の入場者数が、収入増に繋がっています。春夏の甲子園大会の収入は、「全て入場料収入でそれ以外はありません」と主催3者は会見で話します。
今夏は記念大会で出場校増加と会期が2日延びたことなどから、支出も増加となり、5億5191万5807円でした。支出は大会準備費、出場選手費、大会役員関係費、本部運営費などの他に、大会史制作費や地方大会費といった費用も入場料収入からの支出になります。
入場料収入から支出を差し引いた剰余金は2億3044万8239円でした。
この中から1億5000万円が、「高校野球200年構想推進基金」に充てられ、全国で展開する「高校野球200年構想」のプロジェクトに活用されます。
残りの剰余金は、全国高校軟式野球選手権大会に700万円、全日本軟式野球連盟、日本学生野球協会、全国中学校軟式野球大会に各100万円を助成金として配分。指導者や審判講習会といった日本高野連の事業費や5年後の第105回記念大会に向けた積み立てなどに、残りを充て、例年通り全額が処分されることになります。
「高校野球200年構想」は少子化や野球離れが進む中、「次の100年」を目指して、日本高野連、朝日、毎日両新聞社が企画。「普及」「振興」「けが予防」「育成」「基盤づくり」の5つを目標に掲げています。都道府県高野連が中心になって、高校野球部員らが幼稚園や保育所を訪問して園児と一緒にボール遊びをする野球体験会や小学生から高校生を対象に早期に障害を見つける肩肘検診など、すでに実施されたものも含め、来年3月までに決まっているだけで、全国で約120の事業が展開されています。もちろん、その後も継続していく予定です。
ここに今回の「高校野球200年構想推進基金」が充てられるわけです、夏の1億5000万円の他に、今春の第90回選抜記念大会の事業費からも5900万円が基金に加えられています。
今回、夏の甲子園の剰余金の中から1億5000万円という大きな額が充てられることになりましたが、日本高野連の竹中雅彦事務局長は、その年の甲子園大会の入場料収入によって充てられる額が変化することを話しました。
極端に入場者が少なくなると、場合によっては事業の縮小にも繋がりかねないということです。
出場校数や大会の会期によって入場者数が変化することはありますが、1人でも多くのお客様が甲子園球場で高校野球を観戦されることが、この「高校野球200年構想」、イコール日本の野球のこれからに繋がっていきます。
取材=松倉 雄太